表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/47

15.べらぼうめ

 「セフィー、金を貸してくれ。」


 「断る。」


 俺は、即答した。



 「10万ギルでいいんだ。」


 「断る。」


 俺は、即答した。




 「なあ、聞いてくれよ。」


 ユージンは、ことの経緯を話す。


 先日、ハイドが大けがを負った際に、教会で治癒してもらい、まだ、教会で治療を受けているものの事なきを得た。


 その治療代が、40万ギルだそうだ。

 

 今4人の金を集めても30万ギルにしかならない。


 残りの10万ギルを貸してほしい。


 と言った内容だ。




 「それで、なぜ俺が金を貸さなきゃならないんだ。」


 「金を払わないと、教会に追放されるんだ。」


 「俺には関係ないことだ。」


 「頼むよ、セフィー。この町にほかに伝手はないんだ。」




 俺は、だんだん腹が立ってきた。


 「俺に頼むくらいなら、赤の他人に頼んだ方が、まだ可能性があるだろう。大体なんだ。ハイドが助かったのは、ソニアのハイヒールのおかげだろう。まず、ソニアに礼も言わず、俺のところに来るなんて、何を考えているんだ。」


 そう言うと、ハイド、アリス、レイナは、ソニアのところに行き、礼を述べてまた戻ってくる。




 「頼むよ、セフィー。俺たちのパーティには、ヒーラーがいないからこんなことになってしまったんだ。前まで一緒にやっていた仲間じゃないか。」


 カチンときた。


 「仲間だと、そんな風に言われる筋合いはない。」


 「以前のことは、謝るよ。それにヒーラーのいないパーティでダンジョンにもぐったのは悪かったと反省している。」


 また、カチンときた。




 助言をしてやるつもりもなかったが、あんまり頭に来たので、言ってしまった。


 「金がなければ、ダンジョンにもぐって作ればいいだろう。2Fの魔物なら500ギルになる。100匹狩れば5万ギルだ。100匹狩るのに20回も戦えばいいだろう。一日もぐればもっと稼げるはずだ。2日くらい協会も待ってくれるだろう。」


 「2Fは、ワーウルフがいる。ヒーラーがいないからまた事故る可能性があるんだ。」


 「ばかか。じゃ1Fで稼げばいい。2日が3日になるだけだ。」


 「俺たちの宿代や食費もかかる。無理なんだよ。」


 さらにカチンときた。




 「なんて甘えていること言ってんだ。宿代がなければ野宿すればいいし、食費も最低限に落とせばいい。それにお前の大剣を売れば10ギルぐらいにはなるだろう。」


 「大剣を売ったら、戦えなくなる。」


 「中古の武器を買えばいいだろう。」


 「無理なんだよ。ヒーラーがいないんだ。」


 さらにカチンとくる。


 もういい、全部言ってやろう。




 「ヒーラー、ヒーラーって、自分のパーティに何が足りないのかわかっているのか。」


 「ヒーラーだよ。」


 「ばか、あほ、まぬけ!じゃあ真っ先にヒーラーがやられたらどうするんだ。お前たちは、俺と一緒にいた時に俺が何をやっていたのか知らねえわけがない。お前たちのパーティでかけているのは、前衛の心構えだ。前衛が、後衛に敵の攻撃をさらすことが悪いんだ。前衛がまぬけなため、後衛が瀕死になるんだ。後衛は、強力な魔法を放つからターゲットになりやすい。

だから、タンクが苦労してタゲをとりに行くんだ、わかったか、べらぼうめ。」


 「うちのパーティには、タンクもいないんだ。入ってくれる者もいない。」


 「どこまで馬鹿なんだ。タンクが必要なら、ユージンお前がやればいいだろう。大剣を売って、中古の盾と中古の片手剣を買って、ギルドの初心者講座で、盾の使い方を学べ。金も入るし、一石二鳥だ。それにヒーラーが必要ならラグラスを呼び戻せ。お前たちのことだ、修道院に交渉すらしてないんだろう。ただ、あの聖騎士はやめておけ、レイナとアリスが許さないだろう。わかったら、とっとと出ていけ。」



 レイナとアリスは泣いていた。


 ユージンたちは、肩を落として出て行った。




 サブリナが口を開く。


 「優しいのね。セフィーって。」


 「うん、惚れちゃいそう。」とソニア。


 「確かに。」とアスカ。



 - ん。アスカが確かにといったぞ。これは惚れちゃいそうに対する答えだよな。



 勝手に解釈してニタつくセフィーがいた。


「面白かった!」


「続きが気になる!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ