10.サブリナの被害
サブリナは、なんだか怒っているようだ。
- 俺は何も悪いことしてないよな。
「セフィー聞いてよ。アリスとレイナがまたやらかしたのよ。」
話を聞くと、アリスとレイナが、サブリナをパーティから追い出そうとしたらしい。
ほかの2人が反対したので、逆にアリスとレイナを追放したそうだ。
どうやら、サブリナを追放して、ユージンとハイドを入れようとしたらしい。
ユージンとハイドは、ごねた末に新たなギルドカードを取得したようだ。
「俺は、忠告したぞ。」
「そうね。でもそんなことするなんて思いもしなかったわ。」
「俺もそれまでは、そんなことするなんて思いもしなかった。」
「それでね。セフィー、私たちのパーティに入らない。」
「ほかの2人の意向もあるだろう。」
「じゃ明日、2人に会って。」
「うん。俺もそろそろパーティに入る必要があると思っていたんだ。」
翌日、サブリナたちとギルドの食堂で会った。
俺たちは、それぞれ自己紹介をした。
「戦士のセフィー、レベルは13だ。」
「聖騎士のソニア、レベルは12よ。」
「魔剣士のアスカ、レベル12だ。」
「魔術師のサブリナ、レベルは12よ。」
「お前はいいだろう。」
「だめよ。これからパーティを組むんだから。」
不遇職の戦士だと言っても誰も特に気にする様子はなかった。
前衛3人に魔術師、構成はいいだろう。理想を言えばヒーラーが欲しいところだが。聖騎士がいるし、大丈夫だろう。
「それじゃ、ダンジョンに行くか。」
「え、いきなりダンジョンに行くの。」
「もぐってみないと一緒にパーティを組むかどうか決められないだろう。俺はサブリナとも、もぐったことがない。」
「それもそうね。みんなそれでいい。」
「いいわ。」
「そうしょう。」
そう決まり、俺たちは、ダンジョンに向かった。
ダンジョンへ向かいながら、ポジションを確認する。
ソニアは、タンクで前衛の真ん中。
アスカは、大剣持ちで右利きなので前衛の左側。
俺が前衛の右側だ。
サブリナは、もちろん後衛だ。
ここで1つ提案をした。
通常タンクは最前線に立つが、一歩引いて後衛に敵を通さないようにする作戦だ。
その方が、俺は自由に戦える。
お互いの力量を見るためのものだから、それでいいとみんな賛成してくれた。
サブリナ、ソニア、アスカの3人とダンジョンに降りる。
ダンジョンに入るとさっそく、コボルトが6匹現れた。
俺は、前に出て2匹のコボルトを倒した。
アスカも1匹を1撃で倒す。
後衛にいた3匹は、サブリナがファイヤーストームで一斉に焼き払った。
「セフィー、女の子の前だと思って張り切ってるね。」
サブリナが茶化す。
「サブリナこそ、コボルト相手にファイヤーストームはないだろう。1Fから3Fまでは、魔法なしで行こう。」
「それじゃ私の出番がないじゃん。」
「後半しっかり働いてもらうよ。」
「それにしてもアスカは、すごいな。一刀両断とは。」
「私は、力だけはあるからな。」
「力だけじゃない。魔法を付与しなければああは行くまい。」
「私だけ活躍の場がないよう。」
ソニアが嘆く。
「俺は、元タンクだから、タンクの重要性はわかっているよ。先に進めば進むほど重要になってくる。」
「わかってるねー。セフィー。」
ソニアもなじんできたようだ。
俺たちは、ほとんど無傷で4階までたどり着いた。
途中、アスカが、グールの返り血を浴びて毒状態になったが、ソニアがすぐにキュアの魔法で治した。
俺は、その後クリーンの魔法をかけてやると、やたら喜ばれた。
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