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「橘さん、今日男と帰ってたよ」
「ふぇ?」
部活が終わった帰り道、バスケ部の連中とワラワラと歩いている中で、隣にいた梨木が唐突にそんな話しをした。
因みに梨木って先生がいるけど、こいつはその弟だ。
「ふうーん...........誰と?」
「ははっやっぱ気になるんだ?」
ニタッと意地悪い顔をする梨木。こいつ、絶対からかう為にこの話ししたな。
「わかってて話したんだろ。で、誰だよ」
「ふ。教えてほしい?」
「......うん。」
コクリ、と頷いてみせると、ブクク、と気味悪い笑顔を向けられた。何がツボかよくわからないよ梨木。
「おっ前本当可愛い奴だよなー。」
「何々、なんの話し?」
「橘さんの今日の行動について」
「あーっ俺達のマドンナね!俺知ってる!今日加賀が橘さん誘ってるの見た!」
他の連中も話しに入ってきた。
ガヤガヤとうるさいが、名前が出てピクリと眉が引き攣った。
「加賀?あのモデルの?」
「お。橘さんを知らなかった中岡が加賀は流石に知ってるんだ?」
知ってる。加賀亘。1年の時同じクラスだったしテレビまで出る様になったから女子の評判も凄い。
「なんで加賀?」
「さぁー?中岡、ピンチじゃね?」
「ピンチ?」
「あいつが橘さん狙ってたら、中岡でも怪しいよな」
「お前顔も負けてないし身長なら勝ってるけど、なんせモデルだしなー。」
「いっそモデルになったら?」
「ダメダメ、そんな事になったら助っ人どうなるんだよ」
「あ、そっか。今のなしなし」
勝手にあーだこーだ言ってる連中をボウッと見ながら歩いて、どう帰宅したかはさだかじゃない。
さくらが加賀と一緒に帰った。
ただそれだけの事なのに、もやもやした気持ちだった。




