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「橘、今月末の撮影、来るんだって?」

「は?」

「は?って...今話題の...化粧品のモデル」

「.....なんで知ってるの。」



ジロリ、と睨むと、ピクリ、と加賀亘は顔を引き攣らせる。


そう。夏休みのバイトは叔父さんが経営する大手化粧品会社のモデル。

ポスターに私をどうしても起用したいって、もう耳にタコができる程お願いされて、一回こっきり、高額のバイト代を条件にのんだ。CMに出てくれればもーっといっぱい払うよ?とか言われたけど、そこまでは目立ちすぎて無理。


親にしか話してない事を、まだ撮影もしていないのに何故こいつが知ってる。



「な、なんで知ってるかって!?俺もその撮影、参加するんだ!相手役の子の写真、昨日見たら橘だったからびっくりして。」



口に出してないのに割と的確に読み取る加賀亘。

私そんなに顔に出てるかな。


「聞いてない。一人じゃないの?」

「一人のも撮るし、男性モデルと二人のも...あ、俺だけど。あと、俺のパターンもあるみたい」

「あのオヤジ....シメてやる。断ってやる。」

「ええっ!?だ、駄目だ撮影近いのに!無理だし!スポンサーからクレームが....」

「そのスポンサーに頼まれたからやるのよ。でもそんなの聞いてない。私は素人なのよ。知らない相手と撮られるなんてゴメンだわ」

「そんな事言っても仕事だし.....」

「.....そうね。私も細かく聞かなかったしね。ドタキャンは流石に駄目か...」



私がそう結論づけると、加賀亘は心底ほっとした様に笑った。

結局加賀亘とは撮影の日時場所なんかを確認して別れた。



仕事の話しだけで誘ったのかな?

なんとなく腑に落ちないまま帰宅した。

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