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赤くて短い髪をした加賀亘は、目はクリクリしてて可愛らしい顔立ちで、身長は170弱でモデルにしては少し小さい。それでもスタイルのよさや生意気な表情、言動で絶大な人気を得ているらしく、人気雑誌やテレビでよく顔は見かける。
顔は知ってるくらいしか認識がなかった私は、後日幸乃に興奮気味にそう説明される事になる。
まぁそれは後日の話。
終業式の帰り道を一緒に歩く事になり、私は少し不思議に思っていた。
「なんで私と帰りたいとか言い出したわけ?」
「へ!?」
家までの道のりを半分くらい来た所だろうか。
ここまでお互い何を話すでもなく歩いて来た。
今朝見た桜の木々を眺めて、コウを思い出したりもした。
帰りは例のバスケの部活があるとかで、足早にバスケ部の連中といなくなってしまった。
幸乃は幸乃で割と神出鬼没な所があるから、いつもどこからでてくるのかわからない。
一緒に帰りたいときはどこからともなく現れて、誘ってくるから、今日は一緒に帰ると言う選択肢はなかったんだろう。
(どーせまた梨木先生に纏わり付いてんでしょ)
「聞いてる?橘」
「―――――ん?」
隣にいる加賀亘そっちのけで考えていて、自分から質問したくせに話しを聞いていなかった。我ながらひどい。
「ごめん。聞いてなかった」
「はぁ....」
またがっくり、と加賀亘は肩を落とす。
この人行動がわかりやすいな。ちょっとコウに似てるかも。
大分うざいけど。