5--1.せんせい
期末テスト前にさくらと勉強会を開いて以来、俺はがり勉と言うものを人生初試みた。
元々勉強はあまり好きじゃない....いや、興味がなく、授業を半分上の空で聞いて、かつ、テスト勉強はパラパラとノートと教科書を眺めるだけで過ごして来た。
それがどうだ。
やってみると勉強も捨てたもんじゃない。
最初はさくらに認めて貰いたくて、見直して貰いたくて始めた勉強を、俺は結構好きになってた。
そう考える様になってから、授業も真面目に受ける様になった。
先生達はそんな俺を見て不思議そうだったり、見直したり、様々だった。
でも、本当に見直して欲しい奴は、日に日に不機嫌になる顔を俺に見せる。
「なぁ、さくらはなんで怒ってるの?」
「怒ってないし。」
夏休みまで残り三日。
このままだとデートに誘えない。
まずい。
まずいぞこれは。
さくらが機嫌が悪くなってる原因。
これが皆目検討がつかない。
俺は困ってしまって眉を下げてさくらを見つめる。
こうなったら泣き落とすか?
小学生時代奥の手として使って以来発動してないぞ。
「そんな目で見ても何も出ないわよ」
ツン、とそっぽを向くさくら。
チッ....発動する前に失敗。




