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「幸太郎君、柄悪いのもそうだけどね、さくらは違うのよ」
「違う?何が?」
「さくらは、別格なのよ。」
「何よそれ」
鼻で笑ってみせると、幸乃はニヤニヤしながらこちらを見る。
「さくらはちょっと浮世離れしてるでしょ。」
「.....勉強出来すぎたり?見た目綺麗すぎたり?」
サラッと綺麗すぎとかコウに言われると顔が熱くなるのがわかる。
おかしい。言われ慣れてる筈なのに。
「そゆ事。近寄りがたいのよ。だから、別格。」
「....成る程~」
心底感心した、と言う様にコウが幸乃をキラキラした目で見てる。
「たんに男と女の違いなんじゃないの。女のがミーハーでしょ。男がうろついてたら変じゃない」
そう言うとコウと幸乃はこちらをポカン、とした顔をしてみる。
「何」
眉間にシワを作って見ると、コウと幸乃は顔を見合わせた。
「それだ」
「それかも」
「「なんで気づかなかったんだろ」」
.....あんたら馬鹿でしょ。