表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/75

--2

高校二年の春。

始業式の日に登校すると、クラス替えの紙を見て各自教室に向かう。


自分も教室に向かおうと、階段を上ろうとすると、ヒラリ、とピンク色の花びらが目の前をかすめた。



半身翻し、それが吹かれて来た方角を見る。



それからは特に何が吹かれて来るわけでもなかったが、なんとなく、足はその方角に歩みを進めた。



まだHRまでは時間があったから。

その日は進級で新学期、と言う空気になんとなく気分がよかったから。



そんなわけで足取りは軽かった。



向こう側が微かに明るい。

方角からして、中庭からの明かりか....



(カタンーー)



廊下から中庭に出る小さな段差を降りると、中庭の真ん中になかなかの大きさの桜の木が目に映る。

いや、桜の木だけじゃない。

こちらに背を向けた、肩より下まで伸びた薄茶色の髪が綺麗になびく、華奢な姿。



段差を降りた音に反応したのか、こちらに振り向くその女生徒。



(ザアッーーー)



春風が吹き、ピンク色の花びらがいくつか舞う。

その鮮やかさに負けない綺麗な作りの顔に、姿に、思わず絶句する。



「――....あなたも桜に導かれたの?」






これが俺とこいつの出会いだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ