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「〈〈午後の競技が始まる前に、応援合戦を開始致します。観覧をする方は、お早めに席にお戻り下さい〉繰り返します―――〉」
昼ご飯がすんで、幸乃と一緒にのらりくらり、とグラウンドに戻っていると、突然アナウンスが流れた。
「応援合戦??そんなのあったっけ?」
「....さぁ?」
幸乃と顔を見合わせて、とりあえずグラウンドはすぐだったから、足早に向かった。
ざわざわとするギャラリーから聞こえて来た情報によると、応援合戦は学年対抗らしく、一学年毎に見た目や運動神経が良い人、かつ声をかけてノリがいい人達で結成され、この体育祭当日まで一切それを他言無用。そんな競技らしい。
所謂サプライズ競技。
「....去年そんなのあった??」
「忘れた?私達午前でふけたのよ。コウ君出るかな♪」
隣でウキウキした顔で幸乃が笑う。
結果から言えば、案の定出場していたコウのチームが一位。
二年は美麗が多いって三年のイケイケグループが騒いでた。
そんな美麗二年でかためられた男子のみのチームは、全員学ランで、男らしい応援団でくくらず、アクロバティックにバック転や宙返りをしてみせた。
特に話題だったのが、その中でも一人色が違う白の学ランで一際異彩を放っていたコウだった。
どうすんのよこのあとの二人三脚。
絶対注目浴びて恥ずかしいったらない。