プロローグーPart3
プロローグーPart3ー魔法少女系
おだやかな街並みを入っていく。
そこに見えるのは、にぎやかな商店街。
あたし、緒野こまちは、これからお友達のお誕生日パーティーに行くんだぁ。
──────ドォォォォォンンン!!!
いきなり、少し遠くから、大きな爆発音が聞こえた。
あの、キラキラ窓が光っている高層ビルの向こう側だ!!
この現れ方はやっぱり…
「また『オドロ』がイタズラしに来たのね!!まったく、終わりがないんだから……!」
オドロは、私の街によく来る、変な怪物だ。建物を壊したり、人を襲ったりと、すごく危ないの。
でも、大丈夫!
(他の子はいないんだね…しかたない、あたしがやらなくちゃ!)
あたしは騒ぐ人群れからぬけだして、静かな街裏に入った。
それから……
(待ってて、すぐにやっつけに行くから!)
「ホワイトフローラル、ミラクルアクセーチェ〜ンジ!!」
バッグの中から大きなピンク色のリボンを二つ取り出して、すばやくハイツインテールを作る。
すると!!
あたしの全身はピンク色の光に包まれた。
(よおし、いつもどおり!!)
「オールファッション〜♪!!───……あれ?」
服が…出てこない?
じわじわ視界がぼやけていく。耳元で、悲鳴が次々と上がる。
「ど、どうしよう……うぅ…お、オールファッション!オールファッション!!…オールファ……」
だめ…なんでだろう。なんで服が…
(それから妙に寒い……あっ)
自分の体を見る。
危うく叫び出すところだった。
わずかにのこっているミラクルイルミネーションの包まれているのは……
普段着すら着ていない、素っ裸のあたしだった。慌てて、体を小さく縮めた。
(ど、どうしよう……このすがたを見られちゃったら…でも、まだ街のみんなを助けていない!)
志の赴くままに、おもむろに立ち上がる。
だが……。
「よし─……あれ、意識が……」
ばたりと、倒れてしまった。体が……妙に重い…。
「だれか……たすけ……」
そういえば、あたし、なにか踏んづけちゃったような……
いつの間にか気を失っていたあたし。
目が覚めた時には、
「あ、やっと起きたんだ」
という声が耳元でする、暖かで、スイーツの香りがする可愛い部屋の中にいた。
体を見る。
もちろん。
「いやあああああぁあああっっっ!!」
……裸だった。