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乙女ゲームには当てはまらない~私には誰も選べないから~  作者: 来留美
第一章~私には誰も選べません~
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第二・次の出逢い

私はなぜか後ろから視線を感じ、振り向こうか迷っています。


「さゆら。どうしたんだ?」


成夜(せいや)くんは私の異変に気付いて言った。


「さっきから、視線が私に注がれている感じがするの」

「お前の後ろだろ?」

「うん。さっきは後ろの席には誰もいなかったでしょ?」

「いつの間にか来たんだよ」

「いつの間にかって、音なんて何もしなかったよね?」

「それがこいつの凄いところなんだよ」

成夜(せいや)くんは後ろの席の人をよく知ってるのね」

「だってこいつもお前のボディーガードだからな」

「えっ」


私はすぐ、後ろを振り向く。

私が振り向いたことに驚く後ろの席の人。


尋夜(ひろや)が驚くの久しぶりに見た」


成夜(せいや)くんは驚きながら言った。


「私は神藤(かんどう) さゆらです。これからよろしくお願いします」

「あっ、よろしく」


彼はそう言って彼の机の上にある本に目を向けた。

あれ?

何かそっけない?

さっきまで私を見てたよね?


「こいつは海道(かいどう) 尋夜(ひろや)。こいつも俺と同じでボディーガードだ。ただ、少し人見知りが激しいだけで根は優しいやつだから心配する必要はないさ」


成夜(せいや)くんは彼の代わりに自己紹介をした。


尋夜(ひろや)くんって呼んでもいいよね?」

「お好きなようにどうぞ」


尋夜(ひろや)くんは本から目を離し少しだけ私を見て、また本に目を向けた。

私の二人目のボディーガードは人見知りでちょっとクールな人で、またもやすごくイケメンです。


成夜(せいや)!」


窓の外から声がする。

そして窓の外側から誰かが叩いている。

ここは二階なので、人の手があるはずがない。

すると、成夜(せいや)くんが窓を開けた。

そして窓から男子生徒が教室へ入って来た。


「えっ!」


驚いているのは私だけ?

クラスのみんなは何もなかったように彼に話しかけている。


「さゆら。こいつはいつも窓から入ってくるんだよ。いつものことだから気にするな。こいつは海道(かいどう) 苳夜(とうや)。こいつもお前のボディーガードだ。」


成夜(せいや)くんはもう一人の彼の自己紹介をしてくれた。


神藤(かんどう) さゆらです。これからよろしくお願いします」

「あっ、君が俺達のお姫様か。可愛いね」

「えっ!」

「本当だね。やっぱり俺達、王子がお姫様を守らないといけないね」


苳夜(とうや)くんの言葉に賛成するように言った誰か分からない男子生徒が私の手をとり、手の甲にキスをした。


累夜(るいや)。お前はさゆらに手を出すなよ」


成夜(せいや)くんは累夜(るいや)くんの手を私から剥がし、私の目の前に立つ。


「何で成夜(せいや)が姫を守るんだよ。姫は俺達みんなの姫だろ?」

「お前はさゆらに触れるな。さゆらは俺達が守るんだろ? 守るのに触れる必要はないだろ」

成夜(せいや)はいっつもそう言ってみんなを守り抜くんだよな。姫、俺は海道(かいどう) 累夜(るいや)だよ。君の心は俺が守るよ」

神藤(かんどう) さゆらです。これからよろしくお願いします」


私は目の前に立っている成夜(せいや)くんの後ろから顔を出して言った。

みんなキャラの濃い人達ばかりだ。

そしてみんな顔が整っていて、背が高くて顔面偏差値の高いイケメンボディーガードだった。

でも、まだ四人だよね?

もう一人のボディーガードは?


「わ~い。お姫様だぁ」


私は誰かに後ろから抱き締められた。


「次はお前か」


成夜(せいや)くんは私に抱きついてきた相手を私から剥ぎ取りポイッと投げた。


「何で投げるんだよ。」

「お前は小さいから投げやすいんだよ。」

「僕はお姫様よりは大きいもん」

「どんぐりの背比べだな」

「ねえ、お姫様。僕のほうが大きいよね?」

「えっと、あの」

琴夜(ことや)。さゆらが困ってるだろ」

「僕は海道(かいどう) 琴夜(ことや)だよ。僕もちゃんとお姫様の王子様だからね。」


琴夜(ことや)くんはそう言って可愛い笑顔を私に向けた。

女の子の私でも負けちゃうくらい可愛い琴夜(ことや)くん。


神藤(かんどう) さゆらです。これからよろしくお願いします」


これで私のボディーガード五人が集まった。

一人、一人が個性豊かな魅力的なボディーガード達。

全員がイケメンで、ボディーガードって顔が整っていないとダメなの? って思うくらい格好いい。


「ところでみなさんはどんな関係なんですか?みなさん苗字が同じですよね?」

「俺達は親戚なんだ。俺達、海道(かいどう)家の一族は代々ボディーガードを受け継いでいるんだ」


成夜(せいや)くんが教えてくれた。


「みんなボディーガードになってちゃんと受け継いでいるんだね。」

「ボディーガードを受け継げるのは一人だけだ」

「えっ!」

「ボディーガードを受け継ぐ儀式のときに、この五人の中の一人が受け継ぐんだ」

「みんなが受け継げばいいじゃない」

「たった一人が受け継ぐのが昔からの習わしなんだ」

「一人を選ぶなんて、その人は責任重大だね」

「それをさゆらが決めるんだよ」

「私が?」

海道(かいどう)家の姫。それは神藤(かんどう)家の娘のことなんだ」

「私はお父さんの本当の娘じゃないよ。」

「血の繋りなんて関係ないんだ。

君は神藤(かんどう)家の娘になる運命だったんだよ。

海道(かいどう)家の姫になる運命なんだよ」


私が姫?

私が娘?

訳が分からない。

私はこの五人の中から一人を選び本物のボディーガードにさせるってこと?

私にはそんな大事なこと決められないよ。

今まで普通の高校生だったのに。

私は今日からお姫様として五人の王子様に守られることになりました。


私にはやっぱり普通の高校生活はできないみたいです。

読んで頂きありがとうございます。

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