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魂の行方   作者: 暇若ミライ
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第1章 魂の発現

暖かな陽気。強く吹く風。春と呼ぶにはふさわしい日だった。静かな住宅街の一本道を進んで行く。周りの談笑しながら歩いてる高校生たちが目に入る。自分には隣を歩いてくれる友も彼女もいない。生憎中学の頃の同級生は皆別の高校へ行ってしまったし、彼女なんざ生まれてこの方出来たことすらない。今日からせっせと友達づくりに励もう。彼女は……考えるのは辞めておこう。


桜が咲いている河川敷を通りかかった。春特有の突風が吹き桜吹雪が綺麗だなとぼんやりしながら歩いていると

「カァァァァァァァァァ!」

と耳をつんざくような叫び声とも雄叫びとも捉えられる声が空から聞こえた。見上げてみると全身真っ黒で羽のの生えた人間のようなものが飛んでいた。その人間のようなものは下を見下ろし、物色するように辺りを見回すと口を緩めた。いきなり急降下したかと思うとビチャッっと音がし、僕の右手に温かなドロっとした感触があった。横を見ると首のない人の姿があった。あまりの出来事に腰が抜ける。周りの人々は逃げる。叫ぶ。逃げなきゃと思うが何故か足がそこから退こうとしない。逃げては行けない気がする。その人間のようなものは逃げ惑う人々を見て笑を零した。

「こんなに楽しい事はそうそう無ぇ!俺のカラスの力に怯えた人間共の表情を見るのはこれ以上無い娯楽だね!」

カラスのソウル犯罪者は自身の存在をアピールするようにそう言葉を発した。そして、逃げ惑う人々を次から次へと足の爪で切り裂いていった。さっきまで命だったものが辺り一面に転がってた。ある程度襲った後にこちらの方に目をやり、指をさしこう言った。

「何故てめぇは逃げも叫びもしねぇ、ムカつくなぁ」

睨みながら迫ってくる。そう言ってカラスは、1歩また1歩近づいてくる。逃れられない。

「そうそう!その表情が見たかったんだよ!」

目の前までやってきたカラスは、俺の怖気づいた顔見てその指の爪を構えた。

「人間のその顔を見てから殺すのがいいんだよね、さようなら♪」

と笑顔で言い、爪が振り下ろされた。 とっさに目を瞑る。


何も起こらない?目を開けると爪が目の前で止まっていた。何故?と思ったが答えは直ぐにわかった。

風だ。舞い上がる花びら、揺れる草木。俺の周りをすごく強い風がまるで守るように回っている。

「何故だ!?何故俺の攻撃が通らねぇ!」

カラスは何度も何度も切りかかってきたが風のガードは破れない。もしかして…と思い、念じる。

(吹きとばせっ!!)

その瞬間守っていた風がカラスの方へ強く吹き、5mぐらい吹き飛ばした。やっぱりと頬を緩める。今自分は風を操れる。この力なら負けない。そう確信した時、カラスが体を起こし、俺に対しこう言った

「なんだ今の、お前もホルダー(ソウル所持者)か!?」

「俺のこの力がソウルかどうかは分からないけど、お前と戦える力ではある。」

この時の俺は急に大きな力を手に入れたからか?何故か自信を持っていた。

「冗談じゃねぇ!何の力かもわからないやつと戦ってられるか!」

カラスは背を向け逃亡しようとした。だが、そんなことは許さない。風に念じる。

(押し潰せ)

するとカラスの体が地に落ちた。体を起こそうとするも風がそれを許さない。何度も何度も叩きつける。いつしかカラスは起き上がるのをやめた。気絶したのか死んだのか分からない。

だが、やめられない。止めることが出来ないのだ。興奮していて考えることができない。


「ズキューーーーン!」

銃声が響き、俺の左頬から熱い何かが垂れた。触ると赤い何かが手に付き、はっと我に返る。

「動かないで、動くと撃つわよ。」

少女の声がした。撃つと言われても今の俺にはガードしてれば普通の銃は効かないだろうと振り返る。そこにはどこかの学園の制服のような服の蒼い髪、青い瞳が綺麗な色白の少女が拳銃を構え立っていた。なぜこんな女の子が銃を?と思い、尋ねてみる。

「君は何者だ?」

「あなたに教える義理はないわ。黙って手を上げなさい。」

「そんな訳にはいかない。誰かもわからない奴の言うことなんか聞けるか。」

「そう…じゃあ眠りなさい。」

彼女はそう言うと引き金を引いた。咄嗟に風の力でガードする。

「お返しだ。」

風の力で吹き飛ばそうと風に念じ、風を吹かせたが相手の目の前で何かにガードされた。盾のようなものに波が立っている。水か。彼女は水を操れるソウルホルダーらしい。

「チッ」

彼女は舌打ちをし、再び銃を連射をしてきたが俺は全て防ぎきった。彼女はため息をつくと

「分かったわ、この力は使いたくなかったのだけど」

人差し指を立てた。その指の上にピンポン玉程の水玉が現れ、こっちに向かって高速で飛んできた。風でガードしたがそれを突き抜け俺の肩を貫いた。激しい痛みが走る。

「ぐあああああああああああ!」

あまりの痛みに膝をつく。無理だ。勝てるはずがない。体制を立て直すと風に念じる。だが、意識が朦朧として考えられない。

「な…んで……」

その場に倒れる。

「その水には睡眠させる効果があるの。おやすみなさい。」

勝ち誇ったように少女が言った。

だんだん視界が暗くなって。目の前が真っ暗になった。


投稿ペース遅めです…

この後にテストが控えてるので、さらに遅くなるかも…

頑張ります…

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