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始まりの前。11

 

 それから、いろいろ確認してみたんですが、稲妻を吐けるのは竜頭のみでした。

 蛇の方は単発の光弾と放射型の閃光、いわいるビームのみ。

 あとは火炎ですね。


 竜頭のほうでこれらをすると全部稲妻のそれらになります。

 単発はプラズマ弾ように。

 放射は稲妻を照射し続け。

 火炎は普通に火炎でした。


「うーん。竜頭はウシュムガルとは別物と思った方がいいですね……カムイと呼びますかね。なら蛇はオロチしますか。何と言いますか、もはやティアとは別物になってますからね。私の元ウシュムガルは」


 そういう事なので、竜頭はカムイ。蛇頭はオロチに決めたところで背後からティアの声が。


「イリス? 何をやらかしてるんだい?」

「ん? ああ、なんかいろいろ能力と言いますか、力が解放された感があったので。その確認をしていました」

「あー……それがその……なんか増えてるウシュムガルかい?」


「ええ。増えたので呼び名も変えてみました」と先ほどつけた名前と確認した内容をティアに報告します。

 それを聞き終えたティアと、報告を黙って聞いていたセフィ嬢。

 両者ともに盛大に顔を引き攣らせています。


「イリス……君は本当に元人間だったのかい?」と私を誘った張本人にティアが恐る恐ると言った感じで聞いてきました。


「え? 何を今更? ティアは見てたでしょ? 私が死ぬところを」

「いやまぁ……そうなんだけどね? なんというか予想斜め向こうにいった結果でちょい、ね」


 乾いた笑顔で頬搔くティア。


「ティアマト?」と今まで黙っていたセフィ嬢がティアに話しかけます。


「どうにも私を喰らった事で彼女、イーリスさんの神格が上がっているようです。イディアが大笑いしながらそう言ってるんですが……どうするんですか?」

「え? イディアが、かい? それはまた――てかどうするもなにも。イーリスラハムはボクのお嫁さんだよ? 永遠に愛し合うさ! ね! イリス!」


 これまた可愛い笑顔でそんな事聞かれたら答えは決まってます。


「勿論! これからもこれ以上に愛します!」ときりっと決め顔で言い切ります。


「そうですか……。今は、ティアマトにそんな存在が出来た事に、姉妹を代表してお祝いいたしましょう。ああ、これイディアから結婚祝いだそうです」


 と何処か疲れた表情と、なんとなく安心してる風なセフィ嬢が、私達に翡翠色の結晶体を差し出します。


「なんですか? これ」と綺麗なそれを手に取ってティアに聞くと。


「おお! イディアの断片じゃん! すげ! あの子がこんな気の利いたモノをくれるなんて!」と燥ぐティア。


 それから私のほうを見て説明を。


「これはね。イディアが私達を全肯定しますよ。っていうモノだよ」

「え? どういう事で?」

「ああ! イディアってのはね。あー何と言えばいいかなぁ……世界ってのが妥当かな? まぁそんな存在。でこれ、断片を持ってると、あの子が管理してる世界に顕現する事が出来るんだよ。ボクたちは基本、世界には干渉しないようにしてるからね」

「あなたは違うでしょ? 私達が干渉しない、です」


 ここでセフィ嬢がティアの言葉を訂正します。


「ん? セフィさん達が干渉しない、で。ティア干渉するんですか?」

「その通りです。イーリス。ティアマトは世界をおもちゃ箱と呼んで、暇つぶしにかき乱して遊ぶんですよ。まあ、彼女は混沌の女神なのでそれが仕事のようなモノなんですが、ね」


 と言いながらチラッとティアを見るセフィ嬢。


「そだよん? でも最近つまんなくてねぇ。というかだよ? 毎回ボク一人に面倒事押し付けてお前たちは見てるだけじゃん? 不公平だよ!」

「それが私たちの仕事ですから――おや? イーリス?」

「おい! 人の話を最後まで――ってイリス! どうしたんだいそれ!」


 二人して私の顔を指さし驚いていますが、何かついてるんでしょうか?


「ああ……ちょい鏡見てごらん」とティアが鏡を作り出します。


 そこには私の顔が映ってるんですが――これは……なんですか?


 私の艶やかなティアとお揃いの黒髪が左半分が白髪、というか白銀になってます。

 変化はそれだけではなく目、瞳にも。

 右目の結膜(白目)が黒に、虹彩は変化前と同じ赤。

 でも瞳孔が縦に割れたようになってます。

 左目の変化は虹彩と瞳孔だけのようです。

 こちちは虹彩が紫電色といいますか紫がかった銀色。

 瞳孔は右目と同じ。


「なんと言いますか、思春期の男子が好きそうな見てくれになりましたね……今はもういないかな? そういう男子」


 そこで自分が生前はおっさんだったことを思い出し、今の思春期の男子は意識高い系だったかな、と振り返りながら変化した自分を観察。


「でも、おじさんこういうのは大好物ですよ? おっと今は美人美少女でした」と口にしたところで、セフィ嬢がじっとこちらを見て、なにか考えてるような顔をしています。


「――そうだわ。あなた達。異世界に行ってはどうですか?」

「え? いきなり何をいってるだい? バグったの?」

「なってません! コホンっ。いえ、イーリスが女神としての練習に、と思いまして」

「ほぅ――セフィにしては頭のいいアイデアだね」


 なにやらまた私置いてけぼりで話が弾んでます。

 ここは黙って聞く姿勢でいますかね。


「あなたは……。それよりどうです?」

「うん! いいかもねって……どうせ面倒事おしつけるんでしょ?」

「その通りなんですが、私達も見てるだけでは暇なのでちょっとした実験をしたいのですよ」

「へぇーほー、で。どんな実験?」

「イディアの管理してる世界の一つに、彼女がうんざりしてる世界がありまして。そこにあなた達。もといイーリスさんを送り込んだらどうなるか、を見て見たいんです」

「それは――っ! なんとも面白そうな実験だね!!」

「でしょ? そこならあなた達が好きにできます。どの道破棄が決まってますからね」

「いいね! いいね! よし! 行こうイリス!」


 おっとここで私に話が振られますか。


「いいですが……どんな世界なので」と聞けばセフィ嬢がティアのような、例のチェシャ猫のような笑みで浮かべ――


「あなたの好きな、剣が舞い魔法が飛び交う幻想世界(ファンタジー)ですよ」




 その笑みを見て思いました。

 さすが姉妹……そっくりですね。と。

これにてプロローグ終了です。

長くだらっとしてしまいましたが後悔は――以下略。


次回から第一部スタートです。少し更新が遅くなりますがご理解のほどを


最後になりましたが、ここまで読んでくれて、本当に、本当にありがとう。

評価してくれた人。ブックマークしてくれた人。大変励みになっております。

他作品も更新遅めですが、よろしければ読んでください。

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