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96 決して良いものでは……

夏は夏で冬はこたつで暑いですね……。

というわけで無事に問題解決。

「ところで僕はこれから大谷の家に行くけど愛はどうする?」

「ついていく……」

「……被写体が増える」

〜大谷家〜

考えてみたら初めて来たな……。

「……あがって」

「家族は?」

「……仕事」

「……早速よろしく」

何でコイツの家には撮影室なるものがあるんだ。

「……昔やってたらしい」

そうか……。けっこう立派な作りで機材も揃っている。

「……じゃあこれ着て」

渡されたのはネコミミメイドセット。どこからこんなものを……。まあ、そっちの趣味の人には受けるのだろう。

「いいけど条件覚えてる?」

「……早めに済ませたい」

「条件を変えてあげようか?」

いつかの佐藤との約束、

「公式の写真」とやらをここで撮ってもらおう。

「一枚は僕が女子の制服着た状態を撮って佐藤に渡して欲しいんだ」

「……ようやく自分が女の子だと気付いたか?」

軽く一発殴っておく。

「いや、佐藤が作戦に使うだけだから……」

「私はどうすれば……。できれば見てるだけがいい……」

「……次までにこれを着ておいてほしい」

渡したのは女の子でも着るのを躊躇いそうなかわいらしいパジャマだったり。

「か、かわいい……。着ておく……」

ぱああ、と愛の目が輝いた。愛は可愛いもの好きだったらしい。そういえば下着も……。

「……そこに更衣室がある」

「分かった……」

ガチャガチャ

「でも盗撮カメラは外すから……」

小型カメラを一台ほうり出した。

「……ばれたか」

そして、撮影が始まった。なぜか女子の制服を大谷は持っているので有り難く使わせてもらう。

「……これはいる?」

パッドですか……。

「顔以外は変身するからいいよ」

「……そう」

着替えてから変身する。実は変身しても少し小さくなったりするだけだからサイズは困らない。さすがに男用は胸が苦しいものもあるけど。

そうして、佐藤に渡すものはできた。

「……改めてこれ」

メイドセットの再登場。

「更衣室は?」

「……東雲さんが使ってる」

「いいよ、一緒に使うから」

更衣室の前できくとあっさり了解してくれた。

入るとパジャマ姿の愛がいた。着ているもののおかげで2割ほど余分に可愛い。

僕は着替えて大谷のもとへ向かった。

大谷は細かい指示をしてくるが何だかプロ顔負けレベルだ。

「……次、パジャマでツーショット」

様々な写真が出来上がっていく。

「これだけやってるんだから売上の一割くらいくれてもいいんじゃない?」

「……売れたら」

愛だけ写されたり、僕だけ写されたりと様々だ。

「……最後にこれを」

渡されたのはスクール水着。ちょうどいい。

「大谷、これもらっていい?」

調達に困ってたからな。

「……かまわない」

そうして、撮影が終わり、様々な約束をして僕らは帰路についた。


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