95 やっと……
現在の状況。私とリーダーらしき人の2人だけ。その他気絶。
「ふん、俺はあいつらとは違うからな……」
そうだろう。明らかに強そうだ。
「俺は五感操作と肉体強化ができるからな。誰にも負けねぇ。ほら、来いよ」
「ふ〜ん、よかったね……」
ホントに彼は幸運だ。
「何がだ……」
「第六感が強化されずに済んで」
だったら今頃逃げてるから。魔力を全解放してるし。
〜その頃リアルタイムで外〜
「なんか怖いよ、田中さん。原因分かんないけど……」
「でも何だか守ってるものがあるというか……。優しさも感じます……」
「それにしても遅いね」
「そうですね」
〜戻って部室内〜
「このアマ……」
明らかに普通の人では考えられないスピードで攻撃をしてくる。まあ、障壁は……
ビシッ
んっ?
バリーン
破られて勢いで顔を殴られる。そのまま吹っ飛ばされてしまった。普通の人なら死んでますよ?、これ。
しょうがないな……
「まだ起きられるとはな……」
私は片手に火球をもう片手に冷気を球状にしたものを精製した。
「どっちがいい?」
「俺にはどっちも効かねぇ」
そうか。
「それより、俺のものにならねぇか?そうすれば見逃してやるぞ」
べたな展開だなぁ……。私は有希に変わり、
「僕、男だから」
断った。
「いや、女だろ」
僕の中で何かが切れた。
「誰が……」
「ん?何か言ったか?………ってオイちょっと待った!!」
僕は魔力を右手に相手を倒すためだけに全属性を集結したものを肉眼で見える程に集中させた。
「何か言った?」
「右手がまがまがしいぞ!?」
改めて……
「で、誰が女だって?」
「お前だな。俺のものにならないか?」
「断る」
渾身の一撃を腹に叩き込む。何だか変な音がしたな……。奴の意識と壁がとんでしまった。
「大丈夫?生きてる?」
……。ヤバイ、虫の息だ。
即座に治癒魔法で回復させる。
「大丈夫?」
「お、おまえ……何者だ?」
「ただの生徒会長だよ。悪いことはもう止めなよ」
「ああ……」
そうして粛正(?)に成功した。
それからみんなを起こし、魔法(相手が言うには不思議な能力)については言わないように釘をさしておき、生徒会室に戻った。
「有希くん、何だかすごい音がしたんですけど何をしたんですか?」
まさか、人を殴り飛ばして壁を壊したなんて言えない。
「何でもないよ」
「ま、まあ楽勝だったわね」
「本城先輩気絶してましたよね」
「真樹も気絶してたと思うぜ」
「……中島以外は全員気絶してた」
「…………」
その後分かったことだがあの連中はもともと野球部員であって、不正を取り合ってもらえなかったらしいことが判明。生徒会で証拠を探し、不正を許した審判がわいろを貰っていたことを白状し、ともども処分され、彼らは復帰した。
ちなみに壊れた壁は……
「有希、これどうするのよ。あんたでしょ、これしたの」
「とりあえず直しておきますか……」
破片も塵になっちゃったから魔法で一から作った。