94 VS不良?………
「大谷、これが終わってからでいい?」
「……むしろ手伝う」
〜野球部部室〜
「たのも〜、生徒会で〜す!」
一同そろって入った。
タバコの臭い、危険な臭い、様々な物が混じり合っている。
「生徒会が何のようだ?」
どうやらコイツがリーダーらしく偉そうに立っていた。
「部室の占領と聞きました〜」
「して何が悪い」
「そこをあんたたちの場所にしたければ正規の申請をしなさい」
真樹、そこじゃない……。
「ユーちん、とりあえずあたしは不良を片付ければいいの?」
「あ、2人ともお願い」
東城さんと清水くんが残り、邪魔になると思うから退室した。女の子2人で大丈夫かな?
…………。
〜数分後〜
「……おかしい」
「おかしい……」
何が。やけに静かだけどさ……。
「2人が危ないかも……」
「……入ってくる」
2人で部室に入っていった。大谷と愛って似てるな……。
〜さらに数分後〜
……やけに部室が静かだな。本当に大丈夫か?
「真樹、見た方がいいんじゃない?」
「そうね」
念のため薄い障壁を張っておこう。
ガチャ
バタン
「むぐぅ……」
-ユキ、危ない!-
見るとみんな捕まってしまっている。真樹も不意打ちで捕まってしまったようだ。
「おい、コイツにさわれなかったぞ!?」
「何かに弾かれたみたいに見えたぞ!」
真樹以外は気絶してしまっている。う〜ん、困った。これは障壁を張り続けるしかないな。よく見ると数人がボコボコにされて隅っこに倒れている。
「畜生、何で入ってくる女どもは強いんだ……」
一応、真樹を捕らえている奴とリーダーらしき人物の2人しかいない。でも、愛が正面から戦って負けたということは絶対に能力を持っている奴がいるはず。
「コイツはただの捕獲専門だ」
ビリィ
真樹が気絶してしまった。
「コイツは珍しい能力で電気が扱えるんだ。だから簡単に言えば……」
「人間スタンガンだ。不思議か?人間にはもともと微弱な電気信号が流れているがそれを体表に出せるようになっただけだ。もっとも、1番超能力っぽいが……」
説明ありがとう。でもみんなをこんな状態にして、野球部の部室を占領した。
「許さない……」
「かいちょーさん?あんたの綺麗な顔に傷つけたくないから降参した方がいいぜ。好戦的な俺らがそう言ってんだからさ………」
「黙れ……」
ガチャ
私は魔法で鍵に触れることなく閉めた。その瞬間、相手の態度も変わる。
「コイツ、何者だ!?」
「ただの生徒会長よ。あなたたちいい加減にしなさい。私が何もしない間に降参した方がいいと思うわよ」
あ、珍しく女言葉だった。自分でもびっくり。
「ただの女じゃねぇか。貴様も寝ろ」
通称
「人間スタンガン」が襲ってくる。素早く背後に回り、
「貴様がな……」
かなり強烈な電撃を喰らわせた。う〜ん、心臓止まってなければいいな。
「アガッ……」
ドサッ
胸に耳を当てて確認する。……よし、止まってないな。
「で、どうするの?リーダーさん。降参する?」