91 波乱の予感……なし……
…………。やばい、思考が追い付かない。とりあえず状況を整理しよう。
確か……
「あたしもゆーちんが好きなんだから!」とか言ってたかな?2人は僕を恋愛対象として好きで、それを聞いて言ったってことは………………、急に恥ずかしくなってきた。
「中島くん、顔が真っ赤だ〜」
こんな状況でならない方がおかしい。
「と、とりあえずさ、この件は秘密にしておいてくれない?」
その場の全員が約束してくれた。
「んで、まともな要望はあったんですか?会長さん」
「ないよ。書記はやることないでしょ?会計も。帰ってもいいよ」
「私はちょっと……」
「じゃ、私は帰るよ。じゃ、中島くん、またね〜」
「俺も帰るとしますか……。ああ、そうだ」
渡辺くんが生徒会室に2人引き入れた。
「「おわぁ!?」」
「コイツラが一連の会話を聞いてたから口止めしておいた方がいいぞ。じゃな」
そうして坂本さんと渡辺くんは帰っていった。
「改めて聞くわよ。聞いてたの?」
「聞いてないよ!」
「そうだ!」
「彼女に嘘は通用しない……。あなたたちは諦めた方が賢明……」
「だから聞いてないってば!」
「そうそう」
「お2人さん?あたしがどれだけ勇気だしたか分からないようだったら身をもって知ってもらうよ?」
珍しく東城さんが本気モードだ。
「女に何ができる!」
ボコッ
ああ、痛々しい音が……。
「その減らず口を潰さなきゃいけないようね……。何か言い残すことはあるかしら?…………ってもう気絶してるわね。情けないわね」
「ひぇ……」
真樹さん?殺さない程度にしてくださいよ?
-分かってるわよ-
-あ、そう-
-最後に少しだけ殺らせなさい-
ダメ!何かがおかしい気がする!
「絶対しゃべりません!だから許して!」
「だってよ、つかさ」
「ならいいよ〜」
本人が1番軽かった。
そうして2人が出ていったあと……
「オレも帰りますね」
「あ、待ってください!」
優稀さんが引き止めた。
「なんですか?田中先輩」
「真樹ちゃんと東雲さんは先に行っててください。つかさちゃんはいると助かります」
「分かった……。行く……」
「ちょっと優稀!抜け駆けするんじゃな……」
「彼女は絶対しないから……」
愛が真樹を無理矢理引っ張って行った。
「清水くん?いい加減にしたらどうですか?」
「た、田中先輩、いきなり何ですか?わ、オレは何もしてませんよ?」
「私にはバレバレです」
「え、どういうこと?」
なんで、優稀さんは清水くんに攻め寄っているんだ?
「ゆーちん、清水くんの能力は?」
…………。まさか、な。
「この学校には正確には
「清水幸雄」という生徒はいません!もう分かってるんです」
「だからオレは……」