89 自己紹介……
「よーっす。ゆーちん、真樹」
東城さんですか……。
「風紀やりたいんだけど……。あたしなら……」
「じゃ、委員長に決定。記名してとっとと帰りなさい」
「真樹が酷いよ〜。ゆ〜ちん、真樹が〜」
なだめながら記名を済まさせる。
「次はしいちゃんね。庶務に行きなさい」
「え、ちょっと……」
「最後は……清水さん?」
「あの……オレ、男です」
見た目はどう見ても女子だろう。いや、よく見れば男だってわかるな。声もかなり高い。女子より高いぞ。
「希望は風紀です。一応、能力はありますが言いたくないので……」
「身体の変化ね。まあ、役に立つわ。じゃ、つかさ、この子まだ1年だから可愛がっちゃってちょうだい」
「へ〜い」
こうして、面接終了。書類はとっとと提出した。一応、放課後に簡単な自己紹介のために集まってもらうことにした。
〜放課後〜
改めてメンバーとその役職の確認をしよう。
「えっと僕から自己紹介?」
「「いや、言わなくても分かるから」」
東城さんと渡辺くんが同時に言った。一応させろよ……。
「じゃあ、渡辺くんから」
何で最初なんだよ、とか思ってそうな顔をしながらも始めてくれた。
「俺の名前は渡辺広隆。書記の委員長になる。能力はない。終わりだ」
「んじゃ次あたしだね。東城つかさっていいま〜す。風紀委員長(別名、生徒会執行部)やらせてもらうし。あ、渡辺くん、能力欲しかったら解放してあげるよ?」
「遠慮しとく」
「じゃ、次は坂本さん」
「は、はい。坂本ほなみといいます。会計の副委員やります」
「別に敬語じゃなくてもいいわよ?」
「そうなの?えっと……能力はたぶんないと思う……。それだけ!」
「んじゃ次は……」
「東雲愛……。よろしく……」
「最後はオレだな。清水……清水幸雄(←さちお)。ばらされちゃったから言うけどオレの能力は身体の変化だから。それで風紀なので……よろしく」
これで全員が自己紹介を終えたから一旦整理してみよう。
総務
委員長:僕
副委員長:真樹
会計
委員長:優稀さん
副委員:坂本ほなみさん
風紀
委員長:東城さん
副委員:清水幸雄くん
書記
委員長:渡辺広隆くん
副委員:(兼任で)僕
庶務
委員長:愛
副委員:(兼任で)真樹
「じゃ、お疲れ様。帰るなり部活なり行っていいわよ。有希だけちょっと残ってなさい」
「じゃあ、私も残ります」
優稀さんも残るらしい。
「まあ、いいわ。人が多いほど助かるわ。しいちゃんは残らざる得ないから4人ね」
そうして解散後。
「で、何するの?」
「有希くんは渡しません!」
「優稀、違うの。目安箱を作ろうと思うのよ。簡単な話でしょ?」
「じゃあ1人でいいじゃん」
「各クラスに1つずつよ」
15くらいはいるな……。
「どうせ暇なら回収して回った方がいいでしょ?」
同感だ。放課後なにもしないよりは意見を聞いた方がいい。
「用紙はもう出来てるから」
どれどれ……、