85 熟睡はできた……
〜翌朝〜
さすがに優稀さんと真樹と愛は昨夜、部屋に帰ったらしい。まず、現在の状況から述べよう。
「近藤さん、これどういうこと?」
朝、起きようとしたら布団がやけに重い。潰れない程度に重くした感じだ。
「本城さんが犯人だよ」
「いや、そうじゃなくて」
聞きたいのはこの状況についてだ。
「理由は、そうだな……可愛いとか言ってたよ」
理由になってない。生憎、僕の魔力では戻せても倒れてしまう。だいたい魔法が使えないように何かしてあるし。腕輪がなぜか付けてあってユキにもなれない。
「ねぇ、近藤さん」
「布団に私の能力を使って手伝うのはダメだってさ」
オイ……。ならば……
「じゃあ、僕を女の子、ユキにしてくれない?」
「私、人の性別まで変えたことは一度もなくて……」
「自信を持って!大丈夫だって」
「な、なら……」
躊躇いながらも変えてくれた。
「完璧!」
「や……やった」
さて、これからだ。まずは魔法が使えない状態だ。これを打開するには
「ここから出る」と
「力押し」の2つがある。しかし、前者は不可能だから必然的に後者になる。が、おそらく、愛が張ったであろうこの魔法が使えないフィールドは内部で魔法を使うと維持のためのエネルギーに強制変換するタイプだろう。つまり、変換できる許容量を上回れなければいけない。まあ、愛のなんて簡単に破れるけど……。つまりだ、魔法を頑張れば使えるわけだ。
「ん……おはよ」
何事もなかったかのように起きた。
「破っちゃったんだ……」
そして、朝ごはんの時、私は結構早くから来ていたので真樹たちは驚いた。
「ユキ、抜けられたの!?」
とりあえず、有希に戻り(他人が)魔法の使用ができないようにフィールドを張って、真樹と愛は金縛りにあわせる。
「ユキちゃん、何してるんですか!?」
「いい加減、一発くらい喰らわせようかと……」
「やめて……」
「やめなさいよ!私にやっても…………っ!」
真樹には黙ってもらおうかな?
誰にでも見える程の魔力を拳に集中させた。まるでゲームみたいだが気にしない。幸い誰も見てないから大丈夫だし。そして、とある効果をつけて思い切り真樹を殴る。
「痛っ…………くない?」
僕は金縛りをといた。付加効果は
「回復」だから痛いわけがない。
「今、問題を起こすと生徒会会長から降ろされるかも知れないし……。ああ、愛には後遅性の衝撃魔法を撃ち込んでおいたから」
あんたは許さん。存分に苦しめ。
「中島くんって本城さんには優しいよね。まさか好きだとかないよね?しかも両想いだったりして……」
えっ……?
「ないって、真樹が僕のこと好きだなんて」
「そ、そうよ。有り得ないわよこんな奴になんか……」
「ホントに違うの〜?」
「「違う!こんな奴なんか好きじゃない!!」」
あ……真樹と揃った。