76 藍より青し……
ガラッ
「では、授業を……?……」
「先生、すみません。みんな出払ってしまっているんです」
優稀さんが初めに謝る。
「そうですか、では召喚」
理解が速くて助かった。さすが伊達に先生をしてないな。こちらも真樹と私は指輪もつけ、
「「「召喚!」」」
「召喚……」
-ねぇ、愛は能力ないんじゃないの?-
-魔法で擬似的につけている……-
-べ、便利だね……-
「4対1ですか。卑劣な」
「先生、戦いには卑怯も何もありません!」
卑怯なことは1つしかしてないから。
佐藤が言っていた。一部の先生を除き、先生は召喚獣の扱いに馴れていないから簡単だったりすると。読み通り……
「す、すみません。勝ってしまって」
……勝ちました、無傷で。指輪はいらなかったな。そして、のんびりと職員室へむかった。
〜職員室〜
「失礼しま〜…………」
「どうしたの?ユキ」
そこには召喚獣が草原にちりばめられた花のように倒れていた。その中に2人、池垣と佐藤が残っていた。佐藤がやられたら終わり、すなわち負けである。相手は……
「副教頭、強いですね」
「数年前、君のお姉さんに襲撃されて以来、鍛えてましたので……」
「佐藤、助けに来たよ〜」
改めて説明するが基本的には能力値は、体力1教科×10+100、攻撃力2教科×2、防御力1教科×2、素早さ1教科+10の値となり、教科はランダムに振り分けられ上限は決まっている。が、今回は得点が各教科5000点、上限なしなので優稀さんには先生でも敵わない……はず……。
「佐藤くん、サポートします。召喚!」
田中優稀
体力:52350
攻撃力:10025
防御力:12452
素早さ:5089
かなり強いな……。
「田中さん、すみませんね……」
バキィ
田中優稀
体力:0/52350
「え……?」
「速く攻撃して痛みを感じないようにしておきました。生徒を気絶させては教師としてマズイですから……」
ここに圧倒的な差が見えてしまった。
「なぜ、とどめをささなかった……」
「リーダーを早くに潰しては面白くないですから……」
鬼畜だ!こいつ。
-ねぇ、愛。今すぐ魔法で能力を付加する方法教えて-
-何考えてるのよ……。だいたい
「愛」って呼び方はどういうことなのよ。終わったら来なさい-
-優ちゃんの真似事だよ-
-……強くするってこと?-
-そう-
-それもそうね……-
-簡単……。時間範囲選択後、適当に自身に魔法を付加すればよいだけ……-
そんなことをしている間に池垣までやられてしまった。
「佐藤君、あなたは最後にしましょうか」
唯一した卑怯なことは独身の先生宅への超局地的大雪です。これによって家にカンヅメ状態(笑)。ちなみにこのことは夜な夜な東雲さんと2人でしています。