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68 テストは地獄です……

何だか人が集まってきた。

「おっ、こいつが本城の妹か」

佐藤が撫でようとする。

「佐藤、危ない!」

真樹が叫んだ。

パンッ

「痛っ」

頬に強烈な一撃。

「触るんじゃねぇよ。汚れんだろうが……」

いろいろと豹変した。

「綾、どこでそんな言葉覚えたの!」

「ごめんなさい、お姉ちゃん……」

さっき僕が撫でた時は何ともなかったのに。

-綾は男嫌いなのよ-

-僕は男だけど……-

-あんたなんか女同然よ!-

-そう思う……-

-2人共ひどい……-

「……なかなかかわいい」

大谷、お前はロリコンだったのか!?

「本城綾です。よろしくお願いします!大谷さん!」

手を握って勢いよく振っていた。

「綾、そいつスケベよ」

「……(ブンブン)違う」

「えぇ!いい人だと思ったのに」

大谷は女性には優しいからな……。

「綾、授業始まるから教室に帰りなさい」

「は〜い、じゃあね〜」

帰った……。

「真樹、何で綾ちゃんは佐藤にあんな態度をとったの?」

「本城、教えてくれ。場合によってはシバく」

「シバいたら殺るわよ。あの娘はね、むこうで彼氏がいたらしいんだけど……、背が高い奴でさ」

「それで?」

「危うく殺されかけたのよ、そいつに……。だから内心怖がってるのよ、背が高い奴全般を」

大谷はどうして大丈夫だったんだろう?

「大谷はあの娘と余り背が変わらないし、女の子には優しいから。覗きとかするけど……」

ふ〜ん。

「あの娘、昼休みも来るわよ。気が変わらなきゃ」

そして昼休み……。

「お姉ちゃん、遊びに来たよ〜」

「綾、上級生のところは怖くないの?」

「みんな優しいから大丈夫!佐藤さん、この前はすみませんでした。お姉ちゃんの友達には優しい人しかいないもんね」

それは喧嘩で真樹に勝てる不良(優しくない人)がいないからだろう。

「綾、テスト勉強したの?」

「いつあるの?お姉ちゃん」

「明日でしょ」

うっかりしてた。明日は年始の一般類似テストだった!

「年始のテストは1日2教科のハードスケジュールで問題数も時間も倍以上ですからね」

「綾、年始のテストは各教科最後に自由にその教科に関係する事について書いていいのよ。国語は自由で英語は英語で書かなきゃいけないけど内容次第で点数と成績がいくらでもあがるわよ」

去年のテストは英語で真樹が『まんてん』を突破した。『満点』ではなく『万点』を。

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