67 厄介者は1人でいい……
〜次の日〜
転校生が来るので臨時朝会をするらしい。
「何で始業式の日に来なかったんでしょうか?」
「何か理由があったんじゃない?ところで真樹は?」
「用事があるとかで職員室へ行きましたよ」
〜それから〜
-え〜、臨時朝会を始めます。転校生の紹介だけなのですぐに終わるから我慢しなさい。ではステージ上へどうぞ-
転校生が檀上へ上がって行くが何故か後ろから真樹がついていっている。
-では自己紹介をどうぞ-
「わ、私の名前は本城綾です。1年に編入することになったのでよろしくお願いします!」
朗らかで明るい娘だ。
「I came from the foreign country.
Therefore I played softball mainly.
But I am troubled with this school how the softball club will make it not be it.
I live with my older sister now.」
へっ?
「私は海外から来ました。そこでは主にソフトボールをしていました。でもこの学校にはソフトボール部はないのでどうしようか悩んでいます。今は私のお姉ちゃんと暮らしています、と言ってます」
真樹は通訳かよ。
「ちなみに彼女の姉は私です」
みんなが絶句した。
「妹はまだ日本語に馴れていないので……」
「大丈夫だよお姉ちゃん。本当なら四月から来れたけど日常会話くらいは、って思って延期したんだ。というわけでよろしくお願いしま〜す☆ちなみに昨日は引越の荷物整理を1人でしてたから来れませんでした」
そうして少々凍り付いた姉(真樹)を引っ張って檀上から降りた妹であった。
-え〜、解散-
〜教室〜
「真樹ちゃん妹がいたんですね」
「言わなかったかな?」
まさか、この姉みたいに厄介な能力持ってないだろうな……。
「綾は能力ないわよ。そのかわりあの娘頭いいのよ、異常に。……有希、後で来なさい」
「どのくらい……?」
「この前、私が受けた数検3級の問題をしっかり英訳してやらせたら一次と二次が共に満点だったのよ」
3級って中学修了レベルだった気がする。
「ちなみに真樹ちゃんはどうだったんですか?」
「両方ぎりぎりだったわよ、どうせ」
「お姉ちゃん、数学得意なのにね」
「文章題が多かったのよ………………っていつの間に!?」
「えへへ〜、来ちゃった。この人たちがお姉ちゃんのお友達か〜。本城綾です。よろしくお願いします」
ぺこり、とお辞儀をする。
「綾、こっちが例の中島」
そう言って僕を指す。
「あなたが次期生徒会会長で今まで例のない能力の持ち主の中島さんですね?」
「かしこまらなくてもいいよ、妹ちゃん」
そう言って頭を撫でる。
「いいえ、年上は敬うべきですから。あと、私は妹という名前じゃなくて綾ですから。中島さん、田中さん、東雲さんこれからお世話になります」
「よろしく……」
「よろしくね、綾ちゃん」