60 便利な程、裏がある……
「とても万能……。銀色は『創造神の力』と呼ぶ人もいるほど……。だからあなたは私を創れた……。私たちとは格が違う……」
「ところでなんでそんな喋り方なの?」
「ユキ、それいい質問」
「秘密……」
「しいちゃん今は魔法障壁ないから無防備なんだよね〜♪」
真樹が言う。
「読心は卑怯……」
「ユキ、念のため押さえてくれない?」
私はしいちゃんを後ろから羽交い締めする。離されないように魔法で力を上げておく。魔法って便利だな。
「離して……」
「いやだ」
「…………せ」
「?」
真樹は何故か怯えだした。何に怯えてるんだろう?しかし、それはすぐにわかった。
「ユキ、耳塞いで!」
咄嗟にしいちゃんを離し耳を塞ぐ。
何も起きない。塞いでた耳から手をそっと外す。
「離してくれてありがとう……」
いつのまにか私が羽交い締めされていた。
「助け(ムグッ)……」
「私の心は深く読むと危険……」
「ユキを離しなさいよ!」
「させない……」
しいちゃんが私の巻いてるタオルに手をかける。
「やめ……」
はらり、と落ちる。私は少し恥ずかしいだけだが真樹は……
「やめなさい!」
平気だ。あれ?
「伊達にのんびり湯舟に浸かってた訳じゃないの」
女の子に戻ってた。
「さぁて、のんびり浸かったら話を聞きますかぁ〜。風邪ひくから」
その後しいちゃんは抗えないままだった。何があったかご想像にお任せするがヒントはフルボッコだ。
〜再び脱衣所〜
「しょうがない……」
としいちゃん。
「理由は簡単……。疲れるし、あと……」
無理に聞くのは止めておこう。
「ところで真樹はどうやって戻ったの?」
さりげなく真樹を男にする。
「自然から魔力を吸収してみたの………ってユキ!せっかく戻ったのに……」
その後、少し遊んでから就寝した。
翌日の朝、居間へ来た2人。何でこいつらはパジャマで来るんだ。しかも眠り目を同じ様に擦りながら。
「じゃ、私帰るし」
真樹は朝ご飯を食べて女の子に戻ってから帰った。私も僕へと戻る。しいちゃんは
「戻れない……」
「どうして?まぁ、僕は男同士で暮らしたいから別にいいけど」
「魔力が足りない……。何故あなたはそうやって暮らしたいの?……」
「足りない?全回復してないの?」
「しても足りない……」
「僕は元々男だし異性がいると勘違いする奴もいるし」
「そこら辺は大丈夫……。魔法で記録の改竄は済んでる……」
「記憶は?」