59 考えの差……
珍しく変な表現があると思うです。
「男だと性転換の魔法1回分が最大らしい……」
「わ、私も……」
思わず苦笑い。
「とりあえず、お風呂!」
僕らはお風呂へと向かった。
〜脱衣所〜
「なんか、やだ」
真樹が呟く。
「この魔法はその性別の最低限度の羞恥、恥じらいには対応している……」
「「ふ〜ん」」
僕には無縁だが。
「つまり私たちは男性のでも抵抗はない……。しかし中島有希ほど万能ではない……」
「彼ないしは彼女は中立的存在でどちらの時でもどちらにも対応できる……」
「へぇ」
真樹がお風呂の扉を開けながら興味なさそうに言う。
「つまり、今の私たちは女性のには弱い……」
「いないじゃん、女は」
真樹が言うが
「そう?」
これは僕、いや私だ。
「ゆゆゆゆ有希!?」
「…………っ!」
「服着るかタオル巻きなさいよ!」
真樹としいちゃんは顔を真っ赤にして手で顔を覆う。何故なら、私が一糸纏わぬ姿で立ってるから。
「ユキ!恥ずかしくないの!?」
「んっ?ちょっとだけ」
あまり恥ずかしくない。どっちにも慣れてるから。この際、2人には普通の思春期の男の子の気持ちを味わって貰おう。まあ、タオルくらい巻くか。
「魔力を分けて貰えば戻れる……」
「分けなさい!」
私は悪戯な目で
「やだ。それより風邪ひくから入った入った!」
2人を押し入れる。
「「わぁ!?」」
……………。
「背中流す?」
「いい」
拒否しても関係なしに真樹の背中を流しにかかる。
「や、やめな……さい……」
しいちゃんが真面目に洗ってる隣で
「いいって言ってるでしょ!」
拒否してても抵抗しない真樹。その背中に私の小柄(決して小さくなんかない!)な胸を押し当てる。
「ユ、ユキ!?」
「かわいい〜」
撫でてしまう。これが母性本能?
「…………」
「どうしたの?真樹」
「やめなさいよ!」
その気迫に圧されて反射的にビクッとしてしまう。
「ご、ごめん……」
そういえば一緒に入った理由をすっかり忘れてた。
「しいちゃん、私の魔力ってどういうのなの?」
「唐突……。あなたのは銀色だった……」
聞きました。
「しかも魔法を使わない時は無意識のうちに自然放出を抑えてる。現に魔法使用時の写真は無尽蔵とも言える莫大な魔力を放出していた……」
「あれくらいだとどういう特徴があるの?」