49 お風呂って何か考えながら入っちゃう……
データが少しとんだので紹介を延期します。
しいちゃんの左の二の腕の上辺り、半袖なら隠れるような場所に幾何学模様があった。
「何……これ」
「契約の跡です」
「何と?」
「魔族です。特に強い最上級悪魔のサタンと」
「命とか大丈夫なの?」
「それはこれから話します。私は両親は私が生まれて間もなく死んでしまい、あなたと同じく親族に引き取られました。その後、廃品回収でとある本を見つけて……」
「廃品回収ですか……」
「まるで蛇の這ったような文字みたいなのが並んでいるだけでした。しかし何故か読めたので短いし、音読してしまって……」
ないだろ……。
「そしたら何だか幾何学模様、いや魔法陣がでてきてサタンが……」
「何で廃品回収にあるのさ……」
「知りません。そして魂を狙われた訳ですが……勝ってしまって……」
すごっ!
「それ以来……こんな身体になってしまって……」
「別に普通の女の子じゃん」
どう見ても普通の健康な女の子の身体だ。
「いいえ、私が本を開いたのは4年前なんですがそれから身長が1ミリも伸びないんです。身体が成長しないんです。いえ、魔力によって成長が極端に抑制されているんです」だから他人よりちびっこなのか……。
「それだけならよかったんです……」
「…………あまり長いと怪しく思われるからもう出よう、しいちゃん」
「わかった……」
お風呂からでて、再び脱衣所……。
「早くして……」
着替えるの早っ!
んっ………?あれ……?
「持ってきたはずのパジャマがない!」
「たぶんばれた……。念のため発言プロテクトしておいてよかった……」
「どうしよう……」
今、私は下着姿だ。シャツとパンツの2枚だけという、すごく恥ずかしい格好だ。
「犯人は……」
「つかさちゃんでしょ?」
「違う……」
「えっ……?」
何と言うか悪戯っ子ってあれしかいなかったと思うけど。
「居間に戻ればわかる……」
「この姿で!?」
「じゃあ私が行ってくる……」
待つこと数分……。
「連れてきた……」
そう言ってパジャマを投げる。私は着替えながら
「誰なの?」
「離しなさいよ!痛いじゃないの!」
真樹だった。
「本城真樹はあなたに……」
「ちょっと2人きりにさせて……」
着替え終わった私はしいちゃんにそう告げる。黙って頷き居間へと行ってくれた。
「真樹、話があるんでしょ?」
「あんたなんかに話すことなんて……」