43 やってもうた……
「姉ちゃんが言ってたんだが交換戦闘はどうも同学年同士でなくてもいいらしい」
「どういうこと?」
「俺たちなら1学年とか3学年と闘ってもいいわけで……」
「それだと1学年は1学期あたりはテストの点数高いだろうから勝てないわね」
「真樹ちゃんのいうとおりですよ。あと……かわいそう……」
優稀さんいたんだ。
「最後まで聞いてくれないか?」
「すいません、佐藤くん」
「で……姉ちゃんがほぼ1人でしたらしいけど、教師を相手にしたらしい」
教師にも勝ったのか……優ちゃんは……。んっ?
「教師も相手にできるの?」
「まぁ……一応」
「勝ったらどうなるんですか?」
「……職員室を盗れる?らしい」
…………。
「「「ええええぇぇぇぇー!!」」」
「それって夏なら冷房が効くよね!?」
「有希、冬なら暖房が効くわよ!?」
「佐藤くん、それいいんですか!?」
「ああ……田中もいるし大丈夫だろ」
コホン、と佐藤が一つ咳ばらい。
「ただし負けたら補習地獄に堕ちる……」
…………。
「ま、負けなきゃいいのよ」
「そ、そうだよ。ねぇ、優稀さん?」
「そ、そうですよね」
〜自習〜
なんでこんなタイミングよく自習が……。
「みんな聞いてくれないか?」
クラス一同、教卓に手をついている級長、佐藤を見る。
「3学期最初のテストをどんなテを使ってもいい点をとれ!あと、冬休み中に召喚獣の操作にも慣れとけ」
「年始早々どことするんですか〜?」
と、とある男子。
「まさか先生とかはないわよね?」
と、とある女子。女の勘は鋭いな〜。
「そうだ」
その後、絶叫、悲観、歓喜、憤怒etc…。
「テストって先生たちが作ってるんじゃ……」
あ……気になる。
「実は業者だ」
きっと特注だろう。
〜昼休み〜
どうやら僕の能力は学年のみならず全校に広まってしまったらしい。まぁどういう因果かは知らないけど、たぶん後に僕の身に降り懸かることに関係していたわけだ。
そんな話は少しばかり寄せておこう。
この能力は困ることが多い。何せ性別が変わるという前例のない能力だから。
これから少しばかり学校内で困ることをいくつかまとめてみようと思う。理由?まとめておけば対応に追われる心配がないからだ。
紙を広げ、シャーペンを取り出し、周りをのぞき見されたくないので確認……よし。