40 暗いところは危ない……
「ここは?」
「人が少ない場所……」
そんなこと馬鹿でもわかる。いわゆる路地裏って所だ。日がもう沈んでいるのでほとんど真っ暗闇の状態だ。絶対に不良が集会してるよ、ここ……。タバコに酒、シンナー(前にプラモデルを作るとき使ったことがあるから知っている)の臭いまでする。
「変身して……」
いつの間にか、しいちゃんは準備が出来ていたようだ。
「なんで有希の知って……」
「最初見たときから(略)……」
「変身するよ……?」
「わかった……」
変身して数秒で……
「もう戻ってもいい……」
「何したの?」
「秘密……。約束の品……。私の技量不足でこのような形になってしまった……」
シカトされた。
「これイヤリングじゃない?」
見ればわかるよ、真樹。
「めんど……わかりやすいように取扱説明書を作っておいたから読んで……」
そうして受け取った。っていうか本音でたよね?面倒って……。そして僕らは路地裏を後にした……………かった。しかしベタな展開もあるもので
「可愛い女の子3人ここで何してるのぉ〜?」
不良に絡まれた。ちなみに僕は男ですけど……。
「あなたたちには関係のないこと……」
「んだと?」
火点けちゃった……。
「女だからって手加減できねーからな!」
しいちゃんが殴られる!
「あぶな……」
「邪魔……」
不良が吹っ飛ぶ。何したの?
「なにしたかは秘密……」
………。
「ぅぐ……」
いつの間にか背後から掴まれていた。
「この娘がどうなってもいいのかぁ?」
どうやら僕は人質にされたようだ。
「いいわよ」
へっ……?
「じゃあ……」
「私に勝ったらね」
「ほう……女の癖にたいした自信だな」
手を鳴らしながら真樹に歩み寄る、僕を離して。そして僕は避難(観戦)する。
「片付いた……」
しいちゃんが来た。……片付いた?
「あれ……」
指差す方には……。ぼこぼこだ……お気の毒に。
「少々疲れた……本城真樹が勝ったら起こして……」
「えっ……うん」
「スー………スー」
まあ、真樹は負けないだろう。
「俺は第一中の総合格闘部の実力No.1だったんだぞ!……引退したけど」
そんな部活うちの学校にあったんだ……。
「あら?あの幽霊部の最強の方ですか?じゃあ先輩だろうから手加減しませ……できませんよ?」
真樹が本気だ。死ぬなあの先輩。
「俺がなんで最強だったか知らないようだな」
「知らないに決まってるじゃないのよ、普通」