35 かなりやばいな……
「おかしい」
「なにが?」
「この場で着替えろ」
「更衣室に……」
「ダメだ」
「池垣、授業が始まるから迫るのはやめろ」
助かったよ佐藤。
「最後に……お前の能力を調べる」
しかし腕輪は外れない。
〜昼休み〜
「もう教えろよ」
「いやだ」
「ゆうちゃんはどんな能力なの〜?」
「恭子さん!なにしに来たの?」
相変わらず引っ付いてくるのを引きはがしながら聞く。
「だからさ〜うちらの仲でしょ〜」
いつそんな仲に?優稀さんも特別な部類だって言ってたし、やだな……。
「キョンちゃん、離れなよ」
「ちぇ〜アキのばか〜」
明奈さんまで来てしまった。
「優稀さんは?真樹は?」
……畜生、いない。
「腕輪を外されなければ大丈夫だし〜……」
「壊す……」
「ゆうちゃん、我慢してね〜」
じりじりと壁に追いやられていく。東城さんにこの前壊されたから丈夫なのに替えたし、壊されは……
「これなら粉々……」
って金鎚!?やばいって……。こうなったら……
…………ってどうしよ。やばい涙でてきた。誰か助けて……。そうだ
「佐藤!助け……」
「俺でも3人も4人も相手に敵わないんだが……」
「……酷い!」
「それと……」
「それと?」
「面倒だ」
「…………(泣)」
涙が止まらない。
「泣いてるゆうちゃんも可愛いぃ〜」
キーンコーンカーンコーン
チャイムだ、助かった……。
〜放課後〜
「じ、じゃあねっ!」
もう……逃げる!
「逃がさん!」
池垣1人なら……
………………………
……無理だった。なんで華奢なんだ、僕は……。
「よ、用事が……」
「そうだな〜佐藤と遊ぶんだな〜」
なっ……畜生。ならば本来は女の武器だが………、
「お願い……離して……」
涙目+上目遣い=どんな男もイチコロ
「うぅ……やだ!…………危ね〜」
堪えやがった!
「離せよ、ホモ」
「東城さん!」
「誰が……」
「こいつは見た目女っぽいけどな、どちらにせよ変態だぜ。ホモか女を襲う変態、どっちで噂して欲しい?証拠写真は撮ってあるからな〜♪」
悪魔に助けられた……。いや僕には天使かな?
「ゆーちん、今日家に来て♪」
「今日は佐藤と……」
「来ないと……能力ばらすよ〜☆」
前言撤回。僕にも悪魔だ。
「佐藤と一緒でも……」
「いいよ〜……すぐ帰ると思うけど」
「東城さん……中島の能力知ってるのか?」
池垣、まだいたんだ……。