3 みんな気付かない……?
次の日。登校中に本城さんに会った。彼女の名前は本城真樹。幼なじみで今も同じクラスだ。彼女は例の腕輪をつけている。彼女はとても怖い能力をもっている。それは相手の心をよむことだ。しかも、趣味はこの前
「主に中島君とかをボコボコにすることです☆」
とか言っていた。語尾に
「☆」がついてるよ、本城さん…。
しかも、能力をフル活用するから、喧嘩はほとんど負けない。
つまり、ほとんどの人は敵わない。そんな本城さんにも弱点はあるだろう。たぶん。
「わたしの弱点知ってどうする気よ」
よまれた!
「よむなんて、卑怯だ!」
「どうせ、ぼくの能力は使い道がないんだ、ってなに考えてるのよ。あんたは、能力もってないでしょ」
「…」
(とりあえず、あの能力はばれないようにしなきゃ)
「なんの能力よ」
「なんでもいいじゃないか!」
あんな能力なんて、さすがに言えない。
「へぇ〜、そんな能力もってるんだー。変わってるね」
よまれた!(2度目かよ)
「文化祭で使えるんじゃない?」
「全部、一瞬で変わっちゃうし、無理だよ。」
「意識すれば一部分だけ変えられると思うよ」
とか話している間に学校着いたのでとりあえず延期した。
学活中…。
「田中さん。本城さんにばれました。一応、秘密にしとくように言っておきましたが。」
田中さんはわかったのか、小さく頷いた。
「じゃあ、劇に引き続き、同じ格好、メンバーでクラスの出し物は、喫茶店に決定ということでいいですね」
級長で幼なじみの佐藤真が言った。ちょっ…聞いてないよ。
しかし、決まってしまった。
「とりあえず、これ着てみろよ。なっ」
と言い、男子の一人が女子の制服を持ってきた。こいつは、どっから持ってきたんだよ。
「…これいるか?」
とか言ってパットを持ってきた。こいつは、大谷。ムッツリスケベの小柄な奴だ。
制服はこいつが調達したな。
とりあえずそれらを持って、更衣室にはいり、鏡の前で顔以外変わるように念じた。すると、顔以外は全部変わった。服も。 (持ってきたものは、隠した)教室に戻ったら田中さんと本城さん以外は驚いた。
「これなら私たちでもごまかせるって、絶対」
女子の保証がついた。
しかし、大谷だけが無反応だった。
学活が終わり放課後。更衣室に向かう途中に大谷に捕まった。
「…さっきと雰囲気違くないか?」
「き、きのせいだよ〜」
「…声高くないか?」
「そんな訳ないじゃないのよ」
やばい、語尾が…。
「…そうか」