27 こいつ……できる!!……
自分でせってーしたはずなのに何故、佐藤が青汁を欲したか分からないです……。
青汁が好きな奴なんてこいつが初めてだ。
「優ちゃんは分かってると思いますが、それはオレンジジュースじゃないですね。真樹ちゃん、能力使えば分かっちゃいますよ」
「そ、そんな訳……」
「そうなのか、姉ちゃん?」
「はいですっ。これは……」
「みかん、ですよね」
「おねーちゃん、酷いですぅ〜。冷蔵庫にオレンジジュースのなっ○ゃんあるのに小岩○みかんだすなんて」
優ちゃんが膨れ顔だ。
「な、なんで冷蔵庫の中に○っちゃんがあるって分かるの?」
「おねーちゃんと同じですっ!」
つまり読心できるわけか……。
「あっ、そうだったわね……ごめんなさい」
「……んで中島の能力は?」
いよいよ隠せない状態になってきた。
「さ、さあクイズです。私の能力はなんでしょう」
「わかるわけないじゃん」
「正解しないと教えません。チャンスは三回。さあ、どうぞ!」
「ど、読し……」
「はい、違います〜」
「はえぇよ!」
「私の能力を知って、どうするんですか?」
「ただ知りたいだけだ」
「そうなのか……」
「?」
「秘密にしてくれるなら……いいですよ」
「ユキっ!ちょっと……そんなんでいいの!?」
「真樹、いいよ。いつかばれるだろうし」
「……そういえば確か変化系の能力だったよな?」
「もういいですよ佐藤くん」
田中さん放置しとこうよ。
「動物に変わるとか!」
「違います」
「体格!」
「違います」
「肉体強化!」
「ちがいます!」
「別の物体に変わる!」
「違う!」
「んっ?……今の喋り方誰かに似て……」
「えっ、あ、ああ」
「昨日は誰といた?」
「真樹ちゃんと優稀ちゃんだよ?」
「一昨日は?」
「それは……」
「おな(ムグッ)……」
「本城、なんで口を抑える?」
「あんた、もう気付いてるでしょ」
えっ!マジで?
「前に大谷から本城が言ってたことを聞いたし、名字がな……」
「あいつ他人にいわないと思ってたのに……」
「中島って名字にいとこの親の兄妹の子ってこと、つまり本人」
「私の親は3人兄妹ですけど……」
「決定的なのは呼吸と息遣いだ」
「ふぇ?」
「どんなに似てても、完璧に他人になる能力を使ってもそれは変わらない。他の動物になる場合は別だが」
「う……」
「その慌てたときの息遣いは確実にあいつのだ」
「ち、違うわよ!こいつは有希じゃ……」
「俺はこいつが有希だとは一言も言ってないぞ、本城」
「しまっ……」
真樹がはめられた!?こいつ、できる!