2 そんなことが……?
すると、田中さんがいきなり僕の目を隠し、
「鏡で見てみたほうがいいとおもいます」
というので、いうとおりに目をつぶったまま、階段の踊り場にある大きな鏡まで連れていってもらった。
鏡で見たほうがいいというのならば、よっぽど大きな変化に違いないないと思い、
「そんなに変わった?」
と聞いた。(この時なんだか声がいつもより高く聞こえた)すると
「かなり変わっていますよ」
と返ってきた。
「着きましたよ」
と言ったのでおそるおそる目を開けてみた。
すると、かわいらしい女の子が映っていた。もし自分に妹がいたら、こんな感じだろう。そういえば斉藤が
「修学旅行の夜に中島が女々しいのを超えて、女子に見えた夢を見たんだよな〜」
とか言っていた気がする。
「とりあえず学生証を更新しにいったほうがいいと思います」
と、田中さんが言った。
この学校の学生証は、ICが入っていて、詳細情報は機械で読み取ることで見ることが出来る。
「しておいたほうがいいね」
僕は戻ってから、田中さんといっしょにそれがある場所に向かった。
「登録完了っと!」
登録完了したので、教室に帰った。
「お前らなにかあったのか〜」
と加藤が言った。僕は、
「そ…」
「な、なんでもありません!」
言いかけた時、田中さんが遮った。そして僕の口を押さえて小声で
「このことは言わないほうがいいと思いますよ」
「なんで?」
小声で聞き返した。
「とりあえず言わないほうがいいと思います。変化系でも特殊なほうなので」
チャイムが鳴り授業がはじまった。田中さんは僕のとなりだ。
もう少しで文化祭なのにうちのクラスではまだ、劇の役を決めていない。うちのクラスは22人いるが、そのうち男子は僕を含めて12人いる。しかし、役では女子が11人と必要という、いかにも1人男子が犠牲になりそうな割り当てだ。
「かわいいとか女子に言われていた中島さんがいいと思います」
誰だ、そんなことを言った奴は。後でツブす。
そして、予想通りこの意見で僕が犠牲になった。
学校が終わり、下校。田中さんとも分かれ、ようやく家についた。鍵を開けて
「ただいま!」
と叫んだ。しかし、両親は、他界し、海外の親戚から、支援してもらっている身だ。誰もいるはずがない。とりあえず寝ることにした。