18 敬語を使うちびっこはあやしい……
「あのっ、聞きたいことがあるんですけど!」
活発だなぁ。
「どうしたの?」
「……迷子になっちゃったんですぅ〜」
「誰を捜しているんですか」
「え、え〜っと……私の好きな人がいる場所!」
「どんな感じの人?」
「確か……クラス委員してるとか……」
とりあえず、知っている人がいるかも知れないから
「じゃあ、お姉ちゃんについてきて」
「分かったですっ。お兄ちゃんについていくですっ」
んっ?きのせいだといいが……。私の正体ばれた?
〜教室〜
「誰かこの子知ってい……」
「あっ!お兄ちゃんです♪」
そう言ってあろうことか大谷に抱き着いた。そういえば佐藤がいない。
「っ……優ちゃん」
「お兄ちゃん…………、やめて」
思いきり抱きしめてる。
「く、苦しいですぅ〜」
「真樹、あの子なに考えてる?」
「それが……池垣と同じで読めないのよ」
「無垢だから?」
「さあ?ところでこの子誰なのよ、大谷」
「……近所のちびっ子」
実の兄ではないらしい。
「帰ったぞ」
おっ佐藤、いいところに。
「この子誰だか知りませんか?」
あっ客だ。
「お帰りなさいませ、」
「そいつは……」
「ご主人様にお嬢様!どうぞ何でも言い付けてくださいね☆」
よしっ、完璧。
「そいつは俺の姉だ」
「「「姉!?」」」
クラス中どころか客までびっくりしていた。どう見ても10に満たないちびっ子だ。
「ねぇ〜ちょっと来てよ〜」
「あ〜分かったよ姉ちゃん」
………………
「ちょ…………、ギャアァァ」
「お、俺の妹だ(バタッ)」
「嘘よ、嘘。あなたたちには隠せないみたいだし。特にあなた」
そう私たちにしか聞こえない声の大きさで言って、本城さんを指差した。
「でも表向きはあいつの妹にしておいてくんない?見た目こんなだし」
「ね、姉ちゃんには池垣と……共通点がある」
何か唐突な気がするけど気にしない。
「あたしから話すわ。能力を池垣くん?のように複数持ってるの」
「どのようなもの何ですか?」
おおっ本城さんの口から敬語が!
「読心(本城さんと同じ)・感覚神経強化・運動能力強化・身体強度上昇・本質の見極め(田中さんと同じ)・閉心術(池垣と同じ)・サイコキネシス(確か不可能なはず)・成長操作だ」
「あんたは寝てろ!(ガスッ)」
あっ、佐藤がまた倒れた。痛そ……。
「こいつが気絶している間に教えるけど、サイコキネシスなんか使えないわ」
どうやっているんだろう?
「特殊な能力で、触っている意思のないものの中で一種の物は操れるだけ。まぁ、水や空気とかしか知らないけどね。それらを固めたり動かしたりするだけ。だから私は単体でも宇宙にでられるの、理屈では」