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179 終局と夢と


さて、ぽっきりと折れた聖剣もどき。それを見て唖然とする勇者もどき。


「だいたいですね、神力を放出しまくっている私を神と判らないような勇者はいませんよ!!あなたは人生やり直したいですか?私だってあなたが勇者だとは些か信じられませんよ!……勇者?笑わせてくれますね」


(自称)勇者が涙目になってきたぞ……。


「本来なら私が直接、来世を弄りますが……、今は天界の方々に丸投げしてますから任せましょう。せいぜい余生を楽しみなさい。……それとも今、死にたいですか?」

「い、嫌だ……」

「では、送ります。……魔物は悪意による自己満足で害を及ぼすのだけは半減させておきましょう」


神力をほとばしらせ、何かを壊した感覚。これも神の仕事かと思うと気疲れしそうだ。


「おい、わらわの眼を見ろ」


(自称)勇者にマオが話しかける。


「な、なんだ……」

「そこまで言うなら良いものをくれてやる」


マオが不意に魔法を使い、自称(略)の目に何かをした。


「これで無駄な殺生をしたら殺すからな」

「な、なにをした」

「貴様らとは話が通じぬ奴らの考えが見えるように、貴様の視線から何とか工面できるようにした。その目で見れば馬鹿なもの以外は高次の魔物類は襲わない。わらわの加護みたいなものだ。なんともならなければ殺すか、わらわを呼べ。そやつを灰にしてくれる」


マオなりの策だろう。


「それの維持に貴様が死ぬまでわらわの魔力が1割持っていかれているから感謝しろ」

「あ……、ああ」


話が終わったところで最後に自称勇者を送り飛ばす。


……多少痛め付けるために骨折する程度の高さに転移させた。五体満足にはさせない、しない、許さない。


「さて、帰ろうか。私も疲れたし」







「おかえり〜」


佳奈が出迎えてくれた。


「あー、ただいま。シャワー浴びてくるよ。

返り血でべとべとだし」


「佳奈は先に寝るね」

「おやすみ〜」


さて、明日も学校だ。







「お久しぶりです」


私が眼の前にいる。


なんだ、夢か……。


「夢ですね。でもとぼけないでください」



畜生。


「何の用?夢くらい自由に……」

「私たちの今後について話しましょう」

「手短に頼む」

「あなたのことですよ?」

「で、何?」

「力の扱いについてです。魔力や霊力は鋭い人しか気付きませんが神力の場合はそうもいきません。世界の数多の力の中でも絶対的なものです」

「じゃあ、気をつけるべきこともあるんだね」

「さすが私です。神力は誰でも影響されてしまいます。威圧感を与えたり、支配したり、と。ですからむやみに神力を開放しないことが必要です、人間として生きたいのならですが」

「それで影響は具体的には?」


それを理解しなければ納得できないし、利用もできない。


「そうですね……、具体的には………崇められます」



あが……め……?


「神ですから。あとは……抵抗心を掻き消せます。……………私たちにもあります。魔力は寿命も延ばしますが神力は内在しているだけで寿命という概念が失くなります。あと、回復力も半端なくなります。頑張ってごまかしましょう」

「回復力?」

「骨折ならコンマ1秒かからず完治します。全身をミンチにされても10秒もいりません」


どんな化け物だよ。



「ああ、でも痛いですよ?」


精神崩壊は有り得るのか……。


「……1つ、注意しておくべきことがあります。神封じをされたらすぐに逃げなさい。そこから離れなければ何もできません」


声色を変えて言われた。余程のことだろう。


「術者の周りにいてはいけない。それが大事です」




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