176 掃除と会合
「さて、ミーシャさんはどうすればよろしいと思いますか?」
私たちは今、とりあえず見晴らしのいい場所にいる。
「ミーシャでいいです。それよりもあなたはユウキさんではないと?」
まあ、女神だね。身体使ってるのは。
「答えにくいですね……。二重人格だと思ってくださればよろしいです」
『パス』
『分かりました』
「まあ、よっぽどのことないと出てこないと思うけどね」
「人格……戻りました?」
「うん。……それで敵はどうする?」
「とりあえず、あの固まりを殲滅してください」
「どうやって?」
「好きなようになさってください」
ミーシャが呆れて言うので、仕方なく固まりを絶対零度でガッチガチにして砕く。
「先程のは……あなたが?」
ミーシャは目を丸くしている。
「一応……。いくつか残ってるけどどうする?」
「私が行きます」
「じゃあ、私も」
〜固まりがあった場所〜
「なんか、強そうなのがいるし……」
「彼らは竜人族ですね。温度の変化には滅法強いですね」
「それでも先程のは寒かったぞ」
あ、話ができるんだ。
いや、この発言は失礼か。
「戦うのやめない?みんな疲れるだけだし」
「ああ、やめたい。でもな、俺以外は操られてしまっている。しかも高位の魔力で俺は何もできない」
「で、しょうがなく?」
「ああ。お前らを殺せば何とかしてくれるらしいから……死んでくれ……」
『私も霊力使える?』
『はい、あなたは私ですから』
「封術……『破魔陣』」
これで何とかなったかな。
「何をしたんだ?」
「霊力で魔法を全部消し飛ばした」
現に彼らは一時的に気絶して倒れている。
「貴様は何者だ!?」
「ただのしがない人間」
『ただの神でしょう?』
『うるさい』
「人間は強いのか?」
「基本弱いね」
あんなの食らえば凍死するよ。
「では、頼れないな……。俺はこれから頭を殺してくる。仲間をこんなにしたからな」
「私も行くよ」
「人間、死ぬぞ?」
「基本、弱い。私は大丈夫だと思うよ」
魔力を開放する。
「……何者だ?」
「人間の中で魔力が最高な人間じゃないかな?」
「ユウキさんって……何色?」
「気になるな……」
ここは銀とか言うと面倒だから……
「白だったかな。」
「魔王様の方がいいじゃないですか……」
「なぜ、比較する?」
「ユウキさんは魔王様を召喚して使い魔にしたんですよ。白であれば召喚すらできませんよ」
どうやら魔力が召喚されるのより高くなければできないらしい。
「ま、まあ、余談は置いて、行こうか」
「「よくない!!」」
…………言っちゃう?
『金にしておきましょう』
『いいの?嘘言っても』
『いいです!!大丈夫ですから!!』
『神様なのに自棄になるって……』
「嘘だよ。金色だよ、金色」
「なら納得です」
「そうだな」
……納得された。