169 ふーあーゆー?
一段落ついたら番外編でキャラについてを公開します。
白い……。
ここはいったいどこだろう。
私は確かに病院のベッドで寝たはずだ。
「目覚めはどうですか?」
声がした。
「誰……ですか?」
「私はあなた。そして、あなたは私」
「いったいどこに……」
「後ろですよ」
振り返ると……私がいた。
いや、容貌は同じだが雰囲気が違う。そんな気がする。
「ここはどこですか?」
「ここはあなたの意識の中。数ヶ月前に偶然あなたが手にいれた魔力と一時的に得た霊力とで神力が発生し、私はここに出ることができました。しかし、偶然もまた必然。この時を待っていました」
意味わかりません。
「あなたの記憶が戻ったら、またお会いしましょう」
「でも、どうすれば……」
「あなたの……私かもしれませんが……魔法に関しての異名……二つ名を聞けばいいのです。ある特定の言葉で記憶が戻るのはよくあるらしいので、それをキーワードとしました。友達に聞いてください」
とりあえず起きたら聞けばいいのかな?
「そろそろ時間ですね……。忘れないでください。あなたが聞くべきことを……」
「あの……あなたは……」
「私はあなたです。そして、あなたは私……」
「夢……かな?」
鮮明と残っている。
「聞くべき……こと」
私はそう呟いた。
ガラッ
「きゃっほー。ゆーちん、おはよー」
東城さんが突然入ってきた。
「あれ、みなさんは?」
1人で。
「いや、ゆーちんに少し、ね。ちょっといい?」
そう言って私の額に手をあてた。
「な、なんですか!?私は調子悪くないですよ」
熱もないし……。いたって健康だ。
「うーん、相変わらずだな〜」
「何がですか?」
「あたしは他人の能力が分かるんだけど……やっぱり失くなったままだな〜、って」
「私のですか?」
「うん、ゆーちんの」
「そうなんですか」
「気にならないの?」
「特には……」
私がどんな能力を持っていようと自分の記憶が大事だ。
遅れてみんながやってきた。
「つかさ!?……抜け駆けだなんて!」
「いえ、東城さんは私の能力を調べてくれただけですよ」
抜け駆け?って何が?
今日は佐藤くんと……もう1人いる。
「どちらさまでしょうか?」
「……大谷」
「大谷くんですか……」
さて、みんなが揃ったので聞いてみましょうか。
と、その前に……
「愛、ちょっと耳貸して」
「え……なになに?」
愛に私がこれから魔法に関することで話すことを伝えた。
「んー、じゃあ男どもは出てけー」
「出るぞ、大谷」
「……気になる」
愛が大谷くんの耳元で何かを囁く。
途端、血の噴水。
何を言ったのだろうか。