168 知らない私。
有希が書きにくいです、はい。
一応、純粋さを全面に押し出す形にしました。
記憶喪失は経験したことないので、イメージだったりです。
さらに翌日。
外出許可はもらって休日の今日、近藤さんの家、神社に行くこととなった。
外出について、病院の方は記憶を取り戻すには外出は良いことらしいので推してくれた。
「ここ……ですか?」
私は今、鳥居の前にいる。
すごく……大きいです。
「あ、有希さん1番のりだね〜」
そこには巫女さんな近藤さんがいた。
「みなさんはまだですか?」
「まだみたいだね〜。……念のために言うけど雰囲気だすために巫女さんなんだよ?普段は私服だからね?」
そうですか。
私たちは鳥居をくぐり、のんびりと茶菓子を食べながらくつろいでいた。
「すみません、本当にこのようにしていただいて」
「いいよ。これくらい」
「ところで失礼ですが……閑散としてますね」
「何にもない時はどこの神社もこんな感じだよ」
その時、私の携帯電話がなった。
「あ、あの、着いたわよ。近藤さんとちょっと来てくれない?」
私たちは鳥居へと向かった。
「ちょっと入れないわよ」
「どうしたんですか?」
なぜか鳥居の前で立ち往生している、本城さん、東城さん、田中さん、愛と佳奈。
というか佐藤くんがいないけど昨日と同じメンバーだ。
「有希、どうやって入ったのよ!!」
「どのようにと言われましても……歩いてですよ?」
「うーん、入れないか……。じゃあちょっと待ってて」
そう言うと近藤さんはどこかへと駆けて行った。
あ、帰って来た。
「ほら、入れるよ」
「何をしてきたのですか?」
私が聞く。
「鳥居の下に流れてる水を止めてきたの」
何でそんな必要があるんだろうか?
「有希、疑問に思うでしょ?」
「はい。あなたがなぜ私の考えを何度も当てるかも疑問ですが」
質問攻めで悪い気もする。
「まず後者は……私には読心能力があること」
なら納得だ。
「前者は……、話すべきかしら?」
「いーんじゃねーの?」
「私も困るしな」
なんで同意を?
「まず……私たちは、近藤以外は魔法が使える。嘘かと思うけれど聞きなさい」
「はい……」
「で、ここには魔力を寄せ付けないものがあったの。さっき言ってた水ね」
「まあ、霊水とも聖水とも言われてるからね、ここの水は」
「で、あんたも魔力を持っている」
実感は……ない。
「それでもすんなりと入れたのが不思議なのよ。今でも魔力が漏れてるくらいなのに……」
「私はここの水を飲ませようと思ったけど……大丈夫かな?」
近藤さんがみんなに聞く。
「一応、私たちも飲んでみましょうよ」
と、田中さん。
「じゃあこれ」
近藤さんがみんなに紙コップを渡していく。中には水。
「この中にはものすごく強い霊力があるから気をつけてね。普通の人でも気分を悪くする人がいるから」
みんなで一斉に口の中へ。
「きゃ!」
「あうっ!」
「うわっ!な、なによ、これ」
3人とも口から出してしまっていた。
「大丈夫ですか?」
私は聞く。
「あんたこそ……」
「なんか……大丈夫でしたね」
これといって違和感もない。
そういえばマオと愛は……
「この水、痛いぞ」
「ざまあ……」
ノーコメントとしよう。
「それにしてもユウキの魔力が変わっとらんな。不思議な奴じゃ」
それから、少しみんなで私についてや、他のこともたくさん話した。
この夏、ここで祭をするらしいことも。
楽しみだ。