164 アクシデント?
あらすじ
弾丸人間。
しばらくして筋肉の塊が突撃してくる。
もう始まったようだ。ちなみに相手は白。
触らず自然に止めたい。まあ、別にどうでもいい気もするが。
とりあえず1人をとめる。
「むぅ……なかなかの力だ」
黙れ筋肉が。
「でも、まだまだぁぁぁ!!」
なんかすごく力を込めてきた。慌てて魔法で強化をする。
「その怪力……ぜひ我が部に!!」
「……っ、……断る」
そのまま投げ飛ばす。
「小娘に……負けた……」
酷く落ち込んだ。佐藤の狙いはこれだったのか。
それにしても……
「暑苦しい!!」
あー、疲れる。
「そうか、なら俺ならどうだ」
えっと……
「池垣か……」
なんか久しぶりに見た。
「恨みはないが……、中島、お前にだけの特別製だ。餞別としてくれてやる」
ポン、と頭を軽く叩かれる。
「ほぇ?」
予想外の行動に思わず抜けた声がでる。
「本当は一時的なものが主流だけどな」
途端、激しい頭痛が襲う。
なんとか魔法で鎮痛し、私はそのまま続ける。
「何………したの?」
「さあな。さて、そこをどけ、怪力女」
「失礼な」
「ところで肉体強化する能力はなかったようだが」
「私の能力でね、池垣みたいに探れなくできるから」
「そうか……」
「中島、早くしろ!!倒れる!!」
佐藤が叫ぶので自チーム側を向くと……やばい。
咄嗟に魔法で引き戻した。
「なんで腕をあげたんだ?というか……」
「私はやってないよ。偶然でしょ?」
「いや、不自ぜ……」
魔法で口を閉じる。
「黙れ……私は疲れてるから応答が面倒になってきた。あんたらは負けだよ」
私は無理矢理柱を倒した。魔法で強烈に。
もう、面倒だ。
大きな音をして倒れたそれは私たちの勝ちを意味していた。
「お疲れ、有希」
「あ、ありがと……」
何だか池垣に何かされてから様子が変だ。何かが変だ。
「どうしたのよ」
「何だか頭痛がするんだよ。鎮痛してるけど」
「運動しましたし、日陰で休んでみましょうか。熱射病とかだと危ないですから」
「今、陽射しもそんなに強くないからそれはないんじゃないかな……」
「それもそうですね……」
次の競技は参加しない。そのため着替えようと思う。
「つかさ、体操着を返して」
「ゆーちんはチアガールなままでいいよ〜」
つかさが不満げに言う。
「チアガールじゃなくてもいいじゃん。だいたい男ならチアガールではないし」
「うぅ〜、そうだけど〜、ゆーちんは見た目どっちもどっちだし」
そこまで言うなら変身して……
「させねーぜ」
つかさは私の額に手をあて沈黙し、私も変身しない。
「「あれ?」」
声が重なる。
「変身できないんだけど……」
「ゆーちんの変身能力がないんだけど……」
・・・。
「「ええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」」