162 合戦終了、乱闘開始
「私の能力は変化系の猫」
「可愛いから攻撃できないだろ、ですって?生憎ね、私はぬいぐるみじゃないとダメなのよ」
まだ何か言ってる。
「ガキ」
「ぅぅ、うるさい!」
真樹が躍起になって鉢巻きをとりにかかるのを明奈さんが眼を閉じてかわす。
「視界がいらないくらいにゆっくり」
「あら、なら、ずっと閉じてなさいよ」
そのまま眼を閉じた明奈さんから簡単に鉢巻きを奪った。
「ほら、とったわよ」
「いつのまに!?」
外野から見たら、そのまま取ったように見えただろうけど……、
-真樹ちゃん魔法使いましたよね?-
-どうやったか分からないけど、使ってたよね-
-簡単じゃない。気配と存在をずらしただけよ。あと、念のために音も消したわ-
白組には気の毒だな……。
「ほら、あんたは次もあるでしょ」
『次は〜、棒倒しです。男どもと一部女の子は集合してくださーいっ。………あー、だるい。お茶おかわr……』
すぐに始まるようだ。
「疲れたであろう?少し飲んでけ」
マオから飲み物を差し出されたので貰ってから私は(チアガールのまま)向かった。
ああ、男臭い。なんか飢えた男って感じだよ。何に飢えてるか?……知りたくない。
「中島、お前そのままでるのか?」
同じクラスの…………誰だっけ?
「ああ、うん」
「今年はお前だけ女子だからな。注意しろよ?」
何に?さっぱりだ。
「お前の能力はよく分からんが少しは人を疑えよ」
「うん……」
『初戦は赤VS青〜。白には女子が1人いるよぉ〜。………あ〜、めんどくさいなぁ〜、これ』
坂本さん、真面目に仕事しようか。
ルールは相手チームの棒の先端が接地したら勝ち。棒の先端に旗とかだと飛べる人とかにすぐに取られるからという理由で。
で、今の私の状況。
「[センチフレア]」
古代魔法の試しうちと痴漢の駆除。
事故と言いながら眼の色変えてるからバレバレ。
ちなみに
フレア>デシフレア>センチフレア
という強さ。マオの使っていたメガフレアの位置は
フレア<デカフレア<ヘクトフレア<キロフレア<メガフレア
という感じ。
センチフレアなら軽い火傷で火も起きない。メガフレアなら焼死体というところだ。
ちなみにオメガとかまでいくと灰も残らないとか。
閑話休題。
「おい、さっきから眼を血走らせてるのにお前のもとに行きたくないという本能と行きたいという本能の妙な葛藤が見えるんだが……」
と佐藤が小声で聞いてきた。
「魔法で燃やしただけなんだけどね」
小声で返事する。
「なら、棒も倒せるんじゃないのか?」
「不自然だよね、それ。あと誰か潰したら嫌だし」
2人で溜息をつく。
その時、胸元に手の感触。
「あ、ごめん。事故だ」
(心の声)「よし、事故として触れたぜぇぇー」
・・・・・・。
「この………」
私は魔力を右手に集中させて
「だ、だから事故と……」
「黙れ、へんたぁぁぁぁい!!!」
グーで殴った。女の子がグーで殴るな?知るか、そんなこと。
爆音並の音で弾丸のように相手陣地に吹っ飛んでいく。
「はぁ……はぁ……」
「涙出てるぞ。それより怪我人でたぞ、殴られた奴」
「大……丈夫。回復魔法で痛み以外は元通りにしたから……」
そのまま弾丸は相手の陣地に衝突して、衝撃で棒が倒れた。ボウリングを彷彿させる。
全校が呆然。
『女子の作った弾丸生徒によって赤の勝ち〜。……まぁ当然だよね、中島さん。あんな下衆は……』
個人名だすな。というか見えてたんだ。