148 事実と食生活……
あらすじ
マオが何か語り出した。
「それが魔力の変化じゃ」
………………へぇ。リアクションに困るなあ。
マオは微かに笑う。
「女神じゃから当然だろう」
「そんな軽くていいのかな……」
私はそんなものではないし、ましてやそこまで望まない。
「なに、ユウキが神であろうとユウキはユウキじゃ」
「そ、お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ」
「有希、そろそろ帰ろっか」
「とか言うけど大変なことだからね、これ」
リリーシャの突っ込みは無視して私たちは帰った。
…………………。
気が付いたら始業式まで残り数日。もちろん入学式までもだ。
当然、準備もある程度必要だがそれ以前に問題がある。
マオだ。
家においてきぼりもまずいが連れて行くのも難しい。かといって……
「心配いらん。言ったであろう?私は人の認識から外れることができる」
忘れてた。そして読心すんな。
「試しにやってみよう」
マオを見てるが私には何も変わってないかに見える。
「なんじゃ?ユウキには無効だぞ」
「そうだったね」
そこで佳奈が言う。
「何が?誰に言ったの?お姉ちゃん」
「有希、マオが消えたんだけど………」
効いてるらしい。マオの言葉すら認識しないとは……。
「戻るぞ」
「「うわっ!!?」」
彼女らにはマオがパッと出たように見えたのだろう。
「心配はなかろう?」
「会話はどうするの?」
「そもそも使い魔と主人は魔力で繋がっておるからそれに言葉をのせるだけだ」
{こんなふうにな……}
-こうじゃなくて?-
-これは他人も察知できるからな……使い分けてくれ……-
こうして、問題は解決した。
………………。
さて、時は進み夕食時。
「みんな、食べたいのある?」
いつものように聞く。
「私は有希のならなんでもいいよ」
「コロッケがいいな〜」
「私は何でもよい」
というか……
「マオは何食べてたの?」
「そんなに気をつかわずともよい。確かに私は血や魂などを欲しがる時もある。がな、別にいつもは白米やパンなども食べておった。基本、食事に特殊な物もあるがユウキたちと変わらぬ」
「血や魂?」
佳奈が質問する。
「私は仮にも吸血鬼ではあるため血は飲まねば死ぬ。とはいっても少量で十分足りるがな。魂は……なくともよいが……美味だしな。勘違いしないように言っておくが、魂を喰らうと言ってもただ死亡した際に残る残留エネルギーをもらうだけで残留エネルギーがなくなればしっかりあるべきところへ還るからな。魂は消えん。事故死などのは美味じゃが……人道的には……な」
人道的って……人間じゃないじゃん、マオは。
「じゃあ、コロッケでいいね」
「ああ、できればカニクリームがいい」
「若干要求レベル高っ!!」
問題なんてものはあまりなかった。