147 異常性と誤りと……
前回のあらすじ
使い魔はとても強かった。
さて、マオの圧勝に終わり、相手が落ち込んでいるとマオが一言、
「そやつ、かなり弱っておるな。私に傷を付けられんのはおかしいからな。おおかた、飯が足らんのだろう」
「失礼ね、毎日肉をあげてるわよ」
マオが鼻で笑う。
「そやつは草食じゃ。肉なんか食わせたら調子も狂う」
そう指摘しつつ、ドラゴンに回復魔法をかける。
「あんた、ホントに人間?」
「誰も人間とは言っておらんぞ。私は魔王族じゃ」
「ま……おう……」
「うぬ」
いきなり、とある人が
「さすが女神様!!」
「魔王が使い魔だなんて!」
ああ、また周りがうるさくなってきた。
「まあ、まだ文句ある人〜」
「何でお前みたいな子供を敬わなきゃいけないんだ!?」
ある人が言う。
………何だろうな。
「別に敬わなきゃいけない訳じゃないんじゃない?勝手に囃し立てられても私も困るだけだから……」
……………………。
相変わらず呼ばれ方が変わらない。ただ、小さい子は『お姉ちゃん』と呼ぶようになった。
この際、ここでは男にならないでおこう。何だか面倒なことになりそうだから。
さて、3人と合流し私はマオに一つ抱いた疑問をぶつける。
「古代魔法ってあんなものなの?」
「「「古代魔法?」」」
「うぬ。古代魔法は単純な魔法だ。説明と発動は容易で強力だが極端で魔力消費が大きい。何よりも口語で呪文を唱えることが必要だ。一応、『口語破棄』という技術もあるがその場合、口語で魔力の操作を円滑化している故、非常に難しくなるから私は使えぬ」
「具体的にはどんな感じに使うの?」
佳奈が聞く。
「簡単じゃ。あの呪文自体が単純だからな。『接頭辞+魔法名』でいい」
「せっとーじ?」
「まあ、具体例をあげれば分かりやすかろう。センチやミリ、キロやメガとかだ」
ようするに長さやデータ量の単位の頭につくアレらしい。
「しかし、私を召喚したユウキならわからんが他は魔力が足らんと思うからやめとけ。あれは魔力を半端なく使う。ところでみな、魔力は何色だ?私は黒金色だが」
みんなで説明中………。
「で、私は銀。だけど……」
「なんじゃ?」
マオに能力を使って変身すると魔力が黒になることを説明し、ついでに私の能力についても説明した。
「ふむ………、奇妙じゃのう。ちと長い説明だが……、魔力とは魂、つまり精神に宿る代物だ。仮に変身しようともそこは変わらぬ。憑依などしてもだ。本来の姿ではないとはいえ、魔力は変わらぬ。まあ、魂が2つ身にあるなら別だがユウキには1つしかないからな」
魂って見えるんだ……。悪魔の血も持ってるからかな?
「それが変わると言うとなればユウキは銀ではないのではないか?染色系から輝色系となるのは本来の姿ではないなら有り得るが基から変わるのは変じゃ……」
つまり、僕と私は異常なのか……。……?
「だがな、1つだけあるが……有り得んからな。アイ……だったか?魔力を変えることを教えたのは。どうしてそう思った?」
「有希ならなんでもできるかな〜って………」
「まず、魔力の起源は神と言われてる。そして、その者だけが出来たことがある」
マオが話してゆく。