146 実力はどの程度?……
前回のあらすじ。
マオの説明を詳しく聞かせてもらえなかったじじい、ざまぁ。
さて、また露店に行くと私は神格化されていた。
「女神様、お帰りになるならお土産を……」
「是非ともご享受ください!」
うるさいな……。
「佳奈、愛、リリーシャ、ごめん、先に行ってて」
「んじゃ、先で待ってるよ。佳奈、行こ!」
「愛お姉ちゃん、待ってよ〜」
「アイ、彼女は大丈夫なんでしょうか……」
「有希だから心配なし!」
3人が先に行ったので……
「順番に簡潔に用件言ってくれないかな?」
「「「買って行ってください!」」」
「「「魔法教えてください!!」」」
その他いろいろ……。
「殺到されても……」
「これ、ユウキが困っておるではないか。下らない者は去れ」
マオが制止する。
「なっ………め、女神様を呼び捨てに……子供の癖に……」
「ユウキもまだ子供だ」
ある女性の言葉に負けじとマオが反論する。
「だいたいあんた何者よ?」
「私か?私はユウキの使い魔だ。とは言ってもさっき契約したばかりだがな」
マオが言う。
「あんたみたいなクソガキが使い魔ねぇ。私の使い魔の方があんたより強いわよ。あんたがなれるなら誰でもいいんじゃないの?」
女性が嫌みを言う。
「ほぅ、よく言ったな。ではその使い魔を潰してやろうではないか。ユウキ、いいか?」
「マオの実力も知りたいし、殺さなきゃいいよ」
「らしいから、使い魔を出せ」
彼女が使い魔の名前を口にするとドラゴンが飛んで来た。初めて見たよ……。
「ここではまずいから移動はしてよね」
とある屋台の人が言った。
………………。
移動してから一応3人に連絡をとり、来てもらった。
「ほぅ……青雷天龍か……。なかなかだな」
「せーらいてんりゅー……って?」
「ドラゴンの中でも上位で天気をも操ると言われるな」
ふーん、強そう……。
「やっちゃって!」
女性の指示(?)でドラゴンがマオに尾を振るう。マオは避けようともしない。
「邪魔な尻尾じゃ……」
パンッ
尻尾がマオに当たる瞬間、切れて飛んでいった。
「ほれ、こっちからも行くぞ。[メガフレア]……」
巨大な火球がドラゴンに襲い掛かる。
無傷。
「こやつらには火が効かぬのを忘れとった……。こやつらには……[テラチルド]!」
強烈な氷の刃が攻撃する。
「ブレスよ!」
彼女の指示で火を噴いて刃が溶かされる。
「ぬぅ……案外大変だな……。[ギガアクア]!。窒息するがいい……」
巨大な水の球が相手を包む。ドラゴンであろうと呼吸は必要だ。それを遮断されているから当然苦しいだろう。
「蒸発させなさい!」
相手が指示する。
「無理じゃ。この魔法は水が水であるのを維持するのに魔力が使われるからな。私の魔力が尽きない限りは無理だ」
マオが笑う。
「さすがに面白くない……。よし、魔法は使わぬ」
そういってマオは水の球を崩す。
ドラゴンがぐったりと倒れる。
「何だ?もう終いか」
マオが背を向けこちらに歩いて来た。
「今よ!」
トラゴンの爪がマオに襲い掛かる。
その爪がマオに刺さることなく弾かれる。
「何だ?やるかやらんかはっきりせんか……。かゆいではないか……」
ドラゴンの片手が消し飛んだ。振り払っただけにしか見えない……。
……………私はとんでもなく強い使い魔と契約してしまったようだ。