143 偶然とは必然的なこと……
前回のあらすじ。
じじいに勝って、商品壊した。
表彰式。特に楽しくはない。
『最後に……中島有希様!』
私はじじいからいろいろ受け取る。
「おぬしに質問じゃが……、何色じゃ?みんなが知りたがっておる」
「銀です」
会場がどよめく。
「わしが敵わぬはずじゃ。さて、今回は参加者が多いのじゃが何者かが何を意図してか地球全体に魔法をかけたのじゃ。おかげで魔力を持つ者が増えたのじゃ」
それは私が愛を黙らせるために使ったので間違いないだろう。
「解除しますよ」
「それもおぬしか!?」
「あと、愛を治したのも」
「あの銀血をか!?」
大会荒らしは有名らしい。
「そういえば、輝系魔術師の嬢ちゃんにはいずれ異名がつけられるぞ。その前にわしが何かつけるか」
「お願いします……。自分の分かるものの方がいいです。影であだ名を言われてる気がして嫌ですから」
…………………。
「で、白銀の女神ねぇ……」
「愛よりはマシだと思うよ……。大会荒らし……」
「うるさい……」
「お姉ちゃんが女神かぁ……」
佳奈はうっとりしてるし。
後夜祭が行われ、練り歩き中だ。
「ねーねー、お姉ちゃん」
ぐい、と服を引っ張られる。
見知らぬ少年だ。というか、初めて男を見たかも。あれ(じじい)を除いて。
「どうしたの?」
「女神様なのに使い魔いないの〜?」
純粋に質問された……。
「まだいないの。君はいるの?」
「僕、喚べないから……」
そっか……。
……………………。
「じじい!使い魔ってなんだ!!」
現在じじいの所に押しかけてます。
「嬢ちゃんか……びっくりしたわい……。使い魔っちゅうのは他の自分と契約を結んだ生物じゃ。犬や猫や鳥、とかげ、人でもよいし、魔界から召喚してもよい。じゃがまだ勉学に勤しむ身じゃろ?変なのが出ると対処ができん。この嬢ちゃんは別じゃろうがの……。なんでも出来そうじゃからの」
愛と佳奈はしょんぼりしてる。
「一応やってみますよ」
魔法陣を展開して召喚してみる。
でてきたのは小学生くらいの黒髪の少女……。
「あれ?魔界に繋げたのに……」
が、明らかに違うのは眼が金色。で、この口調。
「わらわを召喚したのは誰じゃ?そこのか?」
私を見て言う。
「人間に召喚されるとは落ちたものじゃ……」
「君は何者?」
「むぅ……わらわは簡単に言えば魔王じゃ。本名はアーマス・リデル・アルスターシャ・クランルール……だったかのう」
メモ帳取り出して確認してるよ……。自分の名前だよね?
「父上がこの世界の奴に殺されて、ソイツを殺してやろうかと思って召喚されたのじゃが……確か緑の魔力で、呪いのお陰で血が銀に……」
「あ、それたぶん私」
愛が言う。
「そうか……………死ねーっ!」
強大な黒く輝く魔力が愛を襲う。
さすがは魔王か……。愛には防げないだろう。
だから私が弾き返す。
「邪魔するでない!」
「召喚したのは私だから、私に勝ってからにしなさい!愛には後でいくらでもさせるから!」
「ぬぅ……、おぬしがわらわに勝てるとでも?」
「もう勝ってる」
「何を言っておる、これからじゃ」
「どうやって戦うの?」
四肢を断裂し、魔法を使えないようにしてしまったから。
「魔王族にはこの程度……」
「私しか治せないようにしたから……」
「……………治してくれ」
「負けを認める?」
「……認める」
半ば泣き顔でお願いされた。