142 祭といえば練り歩き……
かなり、遅れました。
前回のあらすじ。
黒い柱に降られた。
闇が消え私はのんびりとじじいの元へ歩く。彼は打ち切った。全力だった。私も素の魔力を出してしまった。
純粋に魔力で相殺をした。それだけだった。
「なぜじゃ……。防御を貫通し全てを無効にされるはずじゃ……。これを防いだ者なぞ………」
「私だけ?」
「わしでも防げんからの……」
「でも、未完成ですよね……。あれは純粋な闇の集大成、全属性の混合ですよね」
「そうじゃ……けれど光は闇と対になり、混合はできん……しかも純粋な魔力では不可能じゃ……」
私は魔法陣を展開する。
闇の属性を混合し、それを光で補助する。
「下半身は覚悟してくださいね」
白い柱、純白がじじいを貫いた。
『勝者は中島有希だーっ!!今回、一般参加者からの優勝は不可能と言われていたが見事に大賢者様を敗ったーっ!!』
「治療班!すぐに手当てを!!」
戦闘部門責任者が大声で呼んだ。
この時じじいはじじいの外見に戻っていた。
「私がやります」
私はじじいに回復魔法をかける。
「中島さん、それはさすがに魔法でも全治1週間は……」
「うるさい!」
治療班の人を黙らせる。
集中しろ……。創造しろ……。
全てをさっきの状態に……。
治った。
「信じられない……」
愛に使った程には到底及ばないが、金の魔力の限界を超えてはいたな………。
………………。
「大技のオンパレードでしたね」
リリーシャが言う。
「最後はそれでもちょっとは苦労したんだよ……。汗かいちゃった。そっちはどうだった?」
「アイが私に勝って優勝でした」
「リーは今年も強かったよ。私だって魔力をほとんど使い果たしたもん」
「それで大賢者様と会話していたあれは何ですか?」
その言葉で周りの人までもがこちらを向く。
「聞こえてた?」
「はい、輝系魔力だとか何とか……。あの方に勝ったならばそれは必然です」
周りが騒ぎ始める。
「もう隠せないか……。表彰の時に向こうから質問されるだろうから我慢しててね」
…………………。
さて、あとは出店を練り歩く。
多くはマジックアイテムを売っているが一般的なものも売っている。
「中島様、これはいりませんか?」
なんだかかなり有名になってしまって敬称までつけられてる。
「こちらにもいらしてーっ!」
何だか嫌な感じ。というか男はいないのか?
ふと、ある店が目に留まる。
「あの……これください」
私が手にとったのは魔力を抑えるらしい指輪。
「お客様、これは1番強力ですよ。場合によっては気絶も考えられます」
「試しにつけていいですか?」
「はい……どうぞ……」
つけても何にも変わらないな……。試しに何かしてみよう。
さっきの怪我でも治してみるか……。
「大丈夫……なんですか?」
店の人が聞いてくる。
「試しに魔法……とはいっても回復魔法だけど使っていい?」
「はい……」
さてと……
パリン
・・・壊れた。
「まさか………あなたが噂の中島様?」
「らしいよ」
指輪を直して返す。
「すみません!こんなものを!!」
「ただ、抑えるんじゃなくて何かに変換するタイプならもっと良いのが作れると思いますよ。それなら使う時だけ抑えられますし」
「ありがとうございます!!」
疲れるな………。なんか嫌なのを通り越してウザイ。