133 結果と自分……
こうして有益なデータを残すことができることを祈り始まったわけだが……
「じゃあ、脳波と心拍数と調べるだけだから」
なぜかつかさが説明する。
「あたしも昔やらされたんだよ。あたしの能力も珍しい部類だからね」
確かに、他人に干渉できることは相当希少価値が高い。普通は自分に対してだけだし。
「じゃあ、まずは服全部脱いで〜。上だけで良いからね〜」
さて、指示通りに服を……
「ゆーちん!コイツらには刺激が強すぎるよ!」
あなた仮にも親がいるんですよ。コイツって……
「男だからいいじゃん」
「ぅ……そうだね……」
脱ぎ終わると
「チッ、やはり男か……」
「殴りますよ?」
矢田さんに向けて脅す。
頭に何か付けられてから胸元にも何か付けられた。
「はい、準備完了」
と矢田さん。
「じゃあ、お願いね〜」
とつかさの父。
「じゃあ変身しま…………………ちょっと待てい!このまま変身したら上半身裸なままじゃんか!」
「「ばれたか……」」
コイツらは……
「せめて肌着は着させてもらいます」
「ダメだよ、もう一枚着ないと!」
「つかさが言うなら……」
結局、普段の服装に近い。上が一枚少ないだけだ。
「じゃあ変身しまーす」
そう宣言してから変身した。
……………………。
結果を教えてくれるらしいので聞くことにした。
「まず、変化系は脳波は変身時の一瞬しか変わらないんだよ。前と後は基本同じ。無論、脳構造も……解明はまだされてないけど、変化しないんだよ」
「はあ……」
「で、君は男と女の脳は違うのは知ってるかい?」
そーなのかー。
「で、だ。君の場合だが……完全に別人になっている。記憶と性格の一部などを共有しているが全くの別物だ。詳しいことはここでは分からないけど、たぶん君が女として生まれたならば今の君だろう。お互いの性が同時進行で干渉しあいながら生きている状態だよ」
とつかさの父が説明してくれる。
難しい……。つまり私は2人が1人という状態なのだろうか。
「簡単に例えると二重人格みたいなものですね」
と矢田さんが補足。
「ごめん、もう一つだけいいかい?」
「はい」
「能力を1時間程使えなくする薬を能力操作薬(能力の発現と消去できる薬の総称)から作ったんだがそれを使わせてくれないか?今の所は3人中3人まで成功してるんだが……」
……困った。
「中島くんが能力使えなくなったらどうすんのさ!」
そのようにつかさが言うのに私は割り込んで言った。
「たぶん、それは私には効きません」
3人とも頭に疑問符を浮かべる。
「それのもとは私からできているので私はもう耐性がついていますから」
そう、私から作られたもの。
毒虫に自分の毒が効かないように私には効かない。