132 父親か……
というわけで何故か顔パスのつかさとともに研究室らしき所に着いた。
コンコン
ガチャ
「やあ、つかさちゃんじゃないか」
若々しいお兄さん、おそらく大学生がつかさに声をかける。
「お久しぶりです。あの……父は……」
「ああ、電話が終わった後に鼻血噴出して倒れましたので今は奥で寝てますよ」
ああ、悲惨と言うか何と言うか……。
「そちらが例の中島……さん?」
「あ、はい」
返事をする。
「ちょっと男の子に変わってもらえないか?女の子らしいのは苦手でね……」
「あの……僕……」
「あ、僕っ娘?いや〜タイプだな〜」
「っていうかあたしは女の子らしくないとおしゃいますか?」
「っていうか僕……」
「可愛いね〜、僕っ娘!」
ダメだ、こりゃ。誰か話の分かる人は……
「こらこら、困ってるでしょ。話を聞いてあげなさい」
声のする方を見ると……うん、つかさの父親だろう。
「あ、エロ親父」
これは学生さんの言葉。
「あ、糞親父」
これがつかさ。
「パパと呼びなさい、パパと」
これが馬鹿親。
「黙れ」
「あの〜、口喧嘩は……」
・・・。
「えっと……、我が可愛く愛しき娘のつかさに劣らない程の可愛さを持つこの少女は誰だい?」
親馬鹿だ……。いや、それ以上か……。
と言うか男なんですが。
「糞お……お父さん、こちらが中島くん」
「おお、君が中島くんか!………?」
「「くん?」」
「はい」
「「ちゃん?」」
「いいえ」
つかさ父と学生の息がぴったりだ。
-ごめんね、ゆーちん。分かったと思うけどコイツら変態だから-
-父親にそんなこと言っていいの?-
-…………-
「お義父さんと呼んでくれてもぐほぁ……」
遂につかさが一発いれた。
…………………。
「んで、こちらが中島くん、男」
改めてつかさが紹介する。
「つかさの父です。先程はすみませんでした……」
「学生の矢田です。この際、男でもいぐほぉ……」
今度は僕が蹴りを入れた。
「で、何がしたいんですか?」
「君が能力を使う前と後での様々な変化をデータに……」
「構いませんよ」