124 誘惑と……
翌朝、目が覚めると妙に身体がほてる。熱い。ぼーっとする。
「つかさ、おはよ。何だか熱いんだけど体温計貸してくれない?」
「ゆーちん、おはよー。はい、体温計」
つかさが渡してくれたので測る。
・・・。
PPP
うん、平熱だ。
なんだかぼーっとするけど、すごく気分がいい。
「残ったカレーしかないけど、朝ごはんこれでいい?」
「う、うん」
昨日よりおいしい。まあ、カレーだし。
「ねぇ、ゆーちん」
「なに?」
「大好き♪」
なんか抱き着いてきた!
うぅ、なんだか顔が赤くなってく。つかさにされると何だかすごく嬉しい。
……なんでだろ?いつもはあんなに抵抗しようと思うのに今はむしろ…………。
「ゆーちん可愛いよな〜」
私が可愛い!?
そんな……可愛いだなんて……、恥ずかしい。
もう、顔が真っ赤になっちゃって何も考えられなくなりそうだ。目の前がくらくらしてきた。
つかさの笑顔を見るだけで私は幸せな感じになる。つかさが褒めてくれると嬉しいというか恥ずかしいというか……、何とも言えない気持ちが込み上げてきて………。
しあわせ。
「あ、ゆーちん、ちょっとトイレ行ってくるから離れて」
「あ、うん」
つかさがトイレに入る、つまり私の視界から消えると、ふと身体が元に戻った。
あれ?
………。
ふとカレーがどの程度残ってるか確認しようとキッチンに向かった。
そこで見たことのある入れ物が空になっていたのが見えた。
「あ、ゆーちんどうしたの?」
つかさを見ると急にドキドキして顔が赤くなってきて………間違いない……
「つかさ、これどういうこと?」
とある入れ物を見せる。
媚薬の入れ物を。
「寝てる間にゆーちんに飲ませちゃった♪」
「じゃあ、もう魔法で解いちゃうけどいい?」
つかさのことで頭がいっぱいになりかけで頑張って言葉を放つ。
「ダメー!あたしからのお願い!」
つかさの言うことだと断れない。
解けない。つまり、きれるのを待つしかない……。
…………………。
つかさの顔を見てるとずっとドキドキして、顔が熱くなっていく。
「つ、つかさ……」
ダメだ、これは絶対にダメ!
「なに?ゆーちん」
これは言っちゃいけない!まだ、ダメ!
「大好き、つかさ」
言ってしまった。うぅ……、頭の中がつかさでいっぱいになってく。
本心からじゃないのに、身体が……、心が……、本心からの気持ちにしようとする。
「つかさ、さっきのは……その……」
「ゆーちんの本心じゃないでしょ?」
「あ、うん……ごめん」
「まだ誰かは決められないんでしょ?本当は誰が1番かを聞こうとしたけど……」
「今なら真っ先につかさ、って答がでちゃうけど……」
「やっぱり心から言われないと嫌だよ」
「じゃあ……」
「でも今日くらいはそのままにしてて欲しいな〜」
「わかった……よ……」
何で肯定しちゃうかな?やっぱりつかさのことしか考えられなくなってるし……。私、女の子なのに……。なんか危ない方向に行っちゃうよ。
・・・。
これでいい(←変身した)。これで軌道修正はできた。
「あ、ゆーちん、変身しちゃったんだ〜」