１２２ ご飯とそして……
さて、いつもならよく食べる愛のために休日ならば既に晩御飯の準備を始める時間なのだが、
「つかさ、晩御飯はどうするの？」
「う〜ん、材料ないな〜」
どうやらつかさは食に関して他人より疎く、死活問題に近いはずのレベルらしい。
「しょうがない、私が……」
「あたしがなんとかする！」
なんとか……？
「何か作れるの？」
「カレーライス！それくらいならあたしも作れる！」
時間がかかるはずだ。このままじゃ……
「実は材料はここにあって〜」
鍋からいろいろと出てくる。
「洗って〜、剥いて〜、刻んで〜、煮てからルー入れて〜…………できた！」
早っ！！
それもそのはず、ほとんどの作業を魔法で同時進行させていたからだ。
……………。
出来上がってから、
「ゆーちん何か添えたりする？」
つかさはゆで卵をのっけていた。
「福神漬ある？」
「あるよ〜。壷で買った〜」
壷！？
ドン、という音をたて、つかさが食卓に乗せる。いや、手も止まりますよ？普通。
「ゆーちん、いらないの？」
「あ、ありがと」
有り難くもらう。
…………。
スプーンの音だけが鳴っている。
会話がない。
「あ、あのさ……」
つかさが口を開く。
「来てくれてありがと。あたし、ゆーちんといると楽しくてさ。ほら、あたしってちょっと女の子っぽくない所もあるでしょ？でもゆーちん見てるとさ……、そんなの関係ないかな……って」
確かにそんなことは関係ない。ただつかさはつかさだ。
「私はそんなところがつかさの魅力だと思うよ」
「ゆーちん……」
ふと思った。
「ところでこのカレーライスだけど辛くない？」
「それはカレーライスだもん。辛いものだし」
「変な物入れてないよね？」
「ただの激辛カレー粉入れただけだよ？」
・・・。
「辛いぃぃぃ！つかさ、何考えてるのさ！？」
「あたし辛いの好きだから。あと安売りしてたから、つい……」
「つい……、じゃないよ！」
「てへっ☆」
「てへっ☆、じゃないよ！っていうかほんとに使う人初めて見た！」
「美味しいからいいじゃん……」
「まともなものを食べなよ！……せっかく一緒にお風呂入ってあげようかと……」
「ゆーちん、ごめん！」
・・・。早っ。
〜お風呂〜
「いざ一緒に入っても何もすることないね」
「そーだね」
カポーン
・・・。
「なに、今の音！？」
※仕様です
「それよりもあたしいつもお風呂でしてることがあるんだけどいい？」
あっさりとスルーしやがった！
……まぁ、いいか。
「何するの？」
「魔法の練習。水を色んな形にして〜、パーン、って」
つかさは水を球体にして浮かべて、弾けさせた。案外、綺麗だ。
