118 身近な人には……
愛が佐藤に説明し始めた。
「我々は常人は持ちえない大きな力を持っている……。しかし大きな力は欲する者も多く、また持つ者を迫害しようともする……。だから我々はそれをばれぬように使うことを余儀なくされ、その存在を隠し、口外することをあまりしたくはない……。だから私はまず彼女を選び和をもって広め、成功した……。しかしそれを扱うことは容易なはずもなく、私は1度死にかけた……。だが結果としてそれはプラスになった……。もしあなたが望むのならば力を教え、与えてもいい……。しかし、あなたが扱えれば……」
「東雲………長い。まあ、事情は分かった。だが、俺が悪用すると思うか?」
「大事なのは信じること……。ほとんどは信じない……」
「その力って何だ?」
「優ちゃんをも簡単に倒せる力だよ」
-変なこと言って興味を引き付けるな!-
-ごめん……-
「この時間にそれを言うな……、姉ちゃんは暇してるから……」
「私をどうやって倒すの?」
「来るんだ」
まさかの優ちゃん登場。しかも優ちゃん(大)だ。
「こうやって……」
浮かせて3mくらいの場所で振り回して降ろす。あーあ、気絶しちゃった。
「どうやって……」
「魔法……」
「うわっ、東雲正気か?嘘みたいだな」
意外と初めてな普通の反応。
「正気……」
コクンと小さく頷く。
「あなたの姉は高所恐怖症……。そして、お化けが苦手……。ちなみにブラコン……。今度、後ろから抱きしめてあげるといい……」
「信じがてぇ……。何か証拠はないのか?」
「信じて……」
-愛、佐藤は魔法使えそう?-
-う〜ん、ちょっと厳しいかな?-
「ちなみに口外しないでほしい……」
「分かった」
「念のために口外出来ないようにする……」
そうして愛が魔法をかけた。信頼性なしかよ。
「じゃあまた明日」
「ああ、俺もすっきりした。使いたくはないが……」
そして、帰り道。優稀さんと別れ、真樹と愛と綾ちゃんとで歩いているとき。
「まさか、有希が本当に女の子だったなんてね」
真樹の突然の発言。
「そうだったの〜?」
「真樹、綾ちゃんにも知られたくないことを私も知ってるのを忘れてない?これ以上何か言ったら……」
「あ、あのことを言うなんて……。ダメよ、ダメ。っていうかしいちゃんは何で無反応なのよ」
「知ってた……。居候の特権……」
「真樹、広めたら……」
「分かったわよ!」
そんなことがあって帰宅した。
「お帰り〜」
佳奈が若干喜び気味で玄関に出迎えに来た。うん、平和だ。
意見、要望、その他諸々待ってます。