105 同じ展開にはならない……
「ねぇアキ、ゆーちゃん、本城さん、私たちが闘っても意味ないと思ったんだけど……」
「勝負つかないからね……」
そうして4人で召喚解除した。無意味な闘いは可能な限り避けたいものだから。
「ところでそっちの級長は誰?」
「あたし」
つかさが手をあげる。
「正確には代理よ。今日、アイツいないから」
そうかい。
「じゃあ優稀さん頑張って!」
「はい!」
「あたしには何もなしかよ……」
いや、敵ですから……。
「「召喚!」」
一応、倒せば僕らの勝ちだ。
「やぁー」
バキィ
「ふぇ?」
田中優稀
LOSE
「先手必勝ってやつだよ、優稀、ゆーちん」
どうやら召喚した瞬間に腕輪を発動させて加速し、瞬殺したらしい。
「大会の時と違って始めるのは自由だしよ」
そうだよね〜。
Prrrrrr
誰かの携帯が鳴っている。一応授業中なのに……。
「誰のが鳴ってんのよ。私は今は持ってないし……」
「あたしは電源切ってるぜ」
後で教えてもらおう。
「私も家にあります」
どうやら僕のらしい。
「ごめん、ちょっと待って」
-Call:家-
佳奈か。
『お兄ちゃん、お昼ご飯は何を……』
「まだ授業中だからかけてこないで。冷蔵庫に昨日のおかず残ってるからご飯と一緒に食べてて。佳奈、分かった?」
『分かった……』
プツン
少し厳しく言い過ぎたかも知れない。帰りにお菓子でも買っていこう。
「ねぇ有希?」
「有希くん?」
「ねー、ゆーちん」
「えっ?何?」
「「「『佳奈』って誰?」」」
軽く殺気を感じる。そういえば佳奈のことを話してなかったんだっけ?
「僕の従姉妹」
「あーっ!思い出したわ!あの佳奈ちゃんね。まさか有希の従姉妹だったなんて……」
一応知ってるらしい。それにしても何で知ってるんだろう?
「後で真樹ちゃんと有希くんを問い詰めればいいだけですから続きをしましょう」
後のことを考えると身震いしてきた。
「で、誰が戦うんだ?」
唯一、純粋に男の奴が問う。こいつの存在が羨ましい限りだが。
「私が頑張る……」
「東雲さんかぁ〜」
「文句、ある?………」
愛が珍しくやる気になったようだ。
「い、いや……ないけど、どのくらい強いか知らないからさ……」
「そう……」
まさかこの勝負で大変なことになるなんてこの時は思いもしなかった……。
「召喚!」
「召喚……」
東雲愛
体力:36580
東城つかさ
体力:63250
実力の差は大きすぎた。
つかさのが召喚し終ってからすぐその場から消えた。正確には高速で動いたのであろう。優稀さんがやられたのと同じ戦法。しかし、全く同じ。だからこそ愛はできたのかもしれない。
謎解きをする感覚で読むとこれからの話がおおよそ分かると思います。