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第三章~高校生編~

「うわぁ!凄いお家ねー!」

「う、うん。ナギサって、本当にお嬢様だったんだなぁー」

俺とミレイは、ナギサの食事に招待されていた。


『ピンポーン…』門の呼鈴を押す。

「『はーーい。どちら様ですかぁ?』」インターホン越しに若い女性の声…。

「あ、私、ナギサさんの高校の友人の、田口と申します。今日はナギサさんに招かれて参りました。」普段のミレイの違う言葉使いに、思わず笑いそうになる。

「『はい、ようこそいらっしゃいました。今、門を開けますね』」そう答えると、門が自動で開く。俺とミレイは思わず感動する。


門を通ると、豪邸の玄関まで結構歩く。見るもの全てが別世界だ。


玄関のチャイムを鳴らすと、扉の向こうから、「はーーい。」と返事をし、1人の女性が出てくる。

「ようこそ、いらっしゃい。ナギサのお友達ね?」

「は、初めまして、田口といいます。」

「あ、初めまして、司です。」綺麗な人だなぁ、と見取れてしまう。『ナギサのお姉さんかなぁ。あまり似てないけど、綺麗…』

「ようこそいらしゃいました、お待ちしてましたわ。」キラッ!流石はお姉様。輝きが違う。


「お母様、早くお通しなさって?」ニコッ!

「お、お母様?!!!」

「『お、お母様?!!!』」俺とミレイの久しぶりのユニゾン。

「お姉様かと思ったわ!」「俺も!!」

「あら?嬉しいですわ。」キラッ!どう見ても母親に見えない若さだ。


「司クン、ミレイさん。早くこっちにいらして?」ニコッ!と、リビングに案内される。そのリビングの広さに呆気に取られる俺。リビングだけで俺自宅より広い。


「今日の料理は殆どミレイ1人で作ったのよ。どうぞ遠慮なさらず、召し上がって?」キラッ!

テーブルに招かれ、以前のお弁当とは違う、豪華な料理を前にする。

『うわ!ナイフとフォークだ!俺、テーブルマナーとか知らねえし…。』チラッと隣のミレイに目をやる。どうやら、俺と同様に悩んでるようだった。

「二人とも、マナーなど気にせず、楽しく頂ましょ?お話も聞きたいし。いいわよね?ナギサ?」キラッ!正に渡りに舟だった。


「旨い!!」「美味しいー!」と話す俺とミレイを見て、照れながらも嬉しそうに見る、ナギサの顔があった…。


食事を終えた後、更に会話が弾む。

「ナギサさんのお母様って、本当に若くてお綺麗ですね。初めは、お姉様かと思いました。」

「ありがとう、ミレイさん。実は後妻なんですよ。つまり、ナギサの継母ですの。私もナギサの事は娘であり、妹みたいな感じですの。」キラッ!

「私も、小さい頃は、お母様と言えず、お姉さんと甘えてたものですわ。」ニコッ!

不思議なものだ。実の母子じゃなかても、仕草は似るものなんだ。

「ところで司さんは、ナギサとミレイさんのどちらが好みですの?」キラッ!

「ぐふっっ!」飲んでいた紅茶を吹き出しそうになる。

「お母様、前に話したでしょ?3人でお付き合いしてるのよ。」ニコッ!

「それはお聞きしましたけど、いつまでも3人とは行かないでしょうし、人それぞれ好みはあるものよ?」キラッ!

「あ、それ、私も気になるぅ。」好奇の眼差しのミレイ。いや、気付けは3人の眼差しが俺をみてる。答なければならないのか?

生来、人付き合いが苦手て、回りに流されながら生きてきた俺は、タイプは違えど積極的に引っ張ってくれる、二人存在が居心地良かった。でも、いつかは1人を選び、1人と別れなければならない日は必ず訪れる。そう考えた時、自然と答えを発していた。

「自分勝手な意見ですが、今は二人とも、好きです。それでもし、どちらかを選べとなるど、俺にはできません。できるとすれば、二人の元から、俺は去ります。本当にすみません。」そう言うと頭を下げた。


三人の好奇な顔が曇った…。


「ごめんなさいね、司さん。バカな質問して場を濁してしまったわ」キリッ。真剣な表情になったお母様。いや、場を濁してしまったのは俺である。嘘でも冗談でももっといい回答があったはずだ。

暫し、他愛もない話をしていたが、俺の話以来、妙に盛り上らないぎすぎすした雰囲気になっていた。


「どうも、ご馳走さまでした。本当に美味しかったよ、ナギサ。」とお礼をし、帰り支度をする。じゃあ、私も、と席を立とうとするミレイに、

「ミレイさんに二人だけでお話がありますの?まだ、よろしくて?」ニコッ!ナギサが問い掛ける。

「え?二人で?別にいいけど、何?」

「二人だけの秘密ですわ。」ニコッ!

なんだろう…、珍しいと思いながら、皆に挨拶をし、一人豪邸を後にした。



《ナギサの部屋》

「うわー!ナギサの部屋って広いねー。それにお姫様の部屋みたーい!」もの珍しげにテンション上がるミレイ。それに比べいつもと様子が違うナギサ…。

「もしかして、二人だけって初めてしゃない?」振り返るミレイはナギサの表情に何かを感じ取る。


「何?どうしたの?話って何?…」ミレイの浮かれたテンションも少し下がる。

「私…司クンもミレイさんも大好きよ…。だから、二人とも、傷付いたり傷付けたりしたくないの…」

「うん…。」

「ミレイさんにお願いがあるの?一度だけでいいから、ミレイさんを裏切らせて?」

「ご、ごめん。言ってる意味が分からないわ?ナギサ。」

「今度の土曜日、一日だけでいいから、司クンと二人だけで過ごさせて欲しいの?お願い!ミレイさん」ウルッ。そう言って両手をついて床に頭を下げるナギサ。その目にはハッキリと泪が…。

「ちょ、ちょっとナギサ!どうしたのよ?何でそうなってるの?」あまりの様子に慌てるミレイ。


しばらく静寂があり、少し頭を上げたナギサは、

「さっきの司クンの言葉、覚えてる?辛い答えだったと思うの。でも、私もいつかは誰かが辛い思いをする時が必ず訪れると思ってた…。二人が好きだから…ふ、ふ、二人が大好きだからーーー!!」大粒の泪を流し、まるで自分に訴えるようにミレイに話していた。

「ナ、ナギサ……。」言葉にならない、


「お願い…一日でいいの…。想い出が欲しいの…。大切な日だから……。そしたら、私、二人から身を引くと約束する。お、お願いよ、ゆ、許してミレイ!」再び頭を下げる…。


「い、嫌よ。何言ってるの、ナギサ?身を引くって何よ…?そんなの急に言われても、分からないよーー!!」大粒の涙、涙声、絶叫するだけのミレイ………。



二人の刻が止まっていた……

ミ「………。。。」

里「ちょっと、あなた始まっているわよ!」

ミ「泣………」

里「泣いてる場合じゃないのよ?ほら、いつもみたいにやるわよ」

ミ「ミレイさんがショック大きいみたいで、代わりやりまーす」

里「あ、あなた、誰よ?」

ミ「ミカちゃんでーーす」

里「だから、あなた誰よ?ミカって知らないわ!」

ミ「ひどーーい、ミレイのクラスメートのミカちゃんでーーす。」

里「そういえば、いたような気がするわ。どうでもいいけど、同じ『ミ「』だけじゃ区別つかないわよ」

ミ「私に言わないで、さくしゃに言ってくださいよーー」

里「それにしても、随分うるさい子ね、あなた」

ミ「よく言われまーーす。」

里「何で今頃出てきたのよ?今ヒロインは大変なのよ」

ミ「多分、四章で活躍するからじゃないですか?」

里「あなたもネタバレかい!」

ミ、里「おしまい。また見てネ。」

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